史上最も萌える指名手配ポスターとその効果
比較的お堅いところが「萌え」の要素を利用して、そのイメージを少しでもよくしようとする動きは様々なところで展開されています。最近では、自衛隊入隊ポスターに萌え系を利用したものの記憶が新しいところですが、日本だけでなく中国でも同様の流れがあるようです。
このたび、上海公安局がネット上で発表した指名手配犯向け「自首啓発キャンペーン・ポスター」が、中国国内で融通のきかない公安がこんなものを出してきた、と話題となっているというのです。肝心のポスターを早速見てみましょう。
文字は後で読むとして中央に、なんだか白い物体が檻にいれられて憂鬱そうに目を細めています。日本でいうところも萌え系というイメージからはほど遠いのですが、これを見る人にとっては萌え系なのでしょう。新しい世界を見たような気がします。
下部には次のように書かれているそうです。
「ねぇねぇ、指名手配のみんな!徐匯区公安局の犯罪一掃キャンペーンがはじまるよー!」
「予約は24時間お客様サービスホットライン(110番)で。送迎・衣・食・住・医療つきお得パックをゲットしよう!」
「今なら、冷たいドリンク、安全な食品、シリアルナンバー入り制服をサービスしちゃうヨ」
「君の友達にも教えてあげてね!」
公安局という最もお堅い役所が、ここまでノリノリで軽い表現を使っていること自体に驚きを隠せないのですが、逆にそうせざるを得なかった理由があるのではと考えてしまいます。公安局としては、従来の指名手配や自首啓発ポスターの効果には限界が出ていて、それを打開するために今回のキャンペーンを打ったといいます。
このポスターは、「可愛い」「予約したいけど手配されてないからなー」「手配されてない奴は損だね」などおおむね好意的にとらえられており、「史上最萌の指名手配ポスター」といわれているといいます。さらに犯罪一掃キャンペーン開始から1カ月で上海の757人いた指名手配犯のうち189名が自首をしたそうで、驚くべき効果を上げていることから、当局のもくろみは見事に当たったといえます。
募集をして広く応募者や購入者を増やしたいという時に、萌え系はしばしば使われますが、今回のようなケースで使われる例はおそらく他にお目にかかれないでしょう。犯罪者の一定層に対しては萌え系が効果を発揮しますが、そうでない層もあります。そんな人に対する自首率の向上のため、女性犯向けにイケメンアイドルグループが登場するなど、さらなるキャンペーンが練られているに違いありません。
【参考】ROCKET NEWS 24 http://rocketnews24.com/2011/07/14/111968/
オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力 (2011/01/24) 百元 籠羊 |
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