国産家電製品のトレンドは「センサー」
輸出産業は円高によって大きな打撃を受けており、次々と海外へ生産拠点を移動させつつあります。これによって国内の輸出企業に勤める人々は働く場所がなくなってしまうことになります。企業としても海外で生産されているものと同じ物を作っていては差別化ができないため、価格競争に負けてしまうので新たな付加価値を追い求める必要があります。
そんな厳しい状況の中、国産の家電製品の今のトレンドは「センサー」だといいます。家電量販店に行くと、洗濯機や冷蔵庫、ポットや電動歯ブラシに至るまでセンサーが組み込まれているものが多くあることが分かります。
例えば、冷蔵庫では開け閉めを行なう時間帯を予めセンサーによって把握し、開け閉めが多い時間帯には、それに耐えうるような強さで冷却を行ない、それ以外の時には省エネを実現するといいます。また、電動歯ブラシについたセンサーによって、最適とされる角度45度を保ったまま歯磨きをすることができるというものまであります。
このセンサー技術で日本は世界のトップクラスにあるといい、これを付加価値として家電に積極的に取り入れる動きが活発化しています。家電製品はこれまでの「家電を使う目的を達成するための機能を利用できればいい」というものから、「家電製品を利用したいときに、いかに賢く使うことができるか」にシフトしつつあります。
冷蔵庫や洗濯機は、ものを冷やしたり洗ったりできればいいだけではなく、利用者の思いを汲んで、それを自動的に行なうことができる賢い製品になってきているのです。この流れは、どんどん進んでいくことでしょう。
家電を取り巻く生活の中で、自分たちが毎日やっていること、みんなが期待することがあり、それをできる限り利用者に意識させないように裏でやってくれる家電になっていくのではないかと思います。
例えば、電気代は節約したいと考えるでしょう。日常生活のなかで、電気製品を利用する時間は、それぞれの製品単位で考えるとそんなに多くはありません。それがずっと通電しているものであれば、メリハリを付けて省エネをしたいと考えるでしょう。しかも電気も使う時と貯めておく時というのを使い分けることが実用化されているので、家電製品と密接に機能レベルで結びつくことによって、より効果の高い節約を実現できると思います。
このように、利用者が意識しなくても家電が利用者をしっかりとサポートしてくれる、さらに電気代や利用者の不安を解消してくれる。そんな家電製品が高い付加価値を与え日本のものづくりを支えていく未来が近い将来やってくるのだと考えています。様々な無駄が省かれた世界が作り上げられたとき、人の欲求はどこに向かうのでしょうか。
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