赤味噌が天下を取れなかった理由
味噌煮込みうどん、味噌カツ、みそおでんなどが有名な場所といえば、おのずと名古屋の街を思い浮かべることでしょう。自分も何度か名古屋に行った際に味噌カツを食べたのですが、なかなか関東では食べることができない本場の濃厚な美味しさを楽しむことができます。これら3つの料理のことを「名古屋めし」というそうです。
そんな味噌カツを支えているのが赤味噌です。赤味噌といえば中でも八丁味噌が有名ですが、これは愛知県岡崎市八丁(現在の八帖町)で作られていたから八丁味噌といわれていて、愛知県産の大豆と愛知県吉良町の塩、矢作川の伏流水の3つを原料としています。赤味噌の大きな特徴は、熱に強く煮込んでも味が落ちないということ。自分が驚いたのは、味噌カツに合うようにうまく調合されたチューブ型の赤味噌があること。お手軽に味噌カツを作ることができるのです。
現在のところ日本には大きく赤味噌と白味噌の2種類が存在します。白味噌には信州味噌や西京味噌の他実に多くの種類の味噌があります。西京味噌などの白味噌は、大豆に米麹を入れて作られていて、この米麹が全体の色を白くさせている要因です。中国や四国では米麹の代わりに麦麹が使われているものもあります。それに対して、赤味噌の特徴は大豆と塩が主原科でほとんどが大豆でできています。
白味噌が全国的に広まっているのに対して赤味噌が作られているのは主に東海3県です。ここまで大きな差があるのはどうしてなのでしょうか。その理由はこの原料に依存する部分が大きかったのです。
白味噌が使っていて赤味噌が使っていない米麹は、味噌の熟成を早める働きがあります。熟成が早まるということは短期間に作ることができるということになります。白味噌が数ヶ月で熟成が完了するのに対して、赤味噌は1年から数年を掛けてゆっくり熟成させる必要があるのです。その差が生産量の違いとなっていき、普及の差につながっていったのです。
自分は関東生まれで、小さい頃から白味噌の味噌汁を飲んでいましたが、奥さんが作る赤味噌も慣れてくるとおいしく感じます。そして両方の味噌汁の美味しさを感じることができるのは嬉しいことだと最近感じています。それぞれの味噌の特徴をうまく使い分けて、おいしく味噌を食べることができればいいですね。
【参考】リアルライブ
http://npn.co.jp/article/detail/95398571/
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