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よく耳にする「経済波及効果」とは?

2010/02/14 Category: ビジネス

バンクーバーオリンピックを契機に再度様々なメディアで話題が上がるのが「経済波及効果」ではないでしょうか。今回のバンクーバーオリンピックの場合、約75億円の経済波及効果があるとされています。では、この「経済波及効果」というのはどのようなものなのでしょうか。何となく高ければ高いほどそのイベントを実施する意味があると考えてしまう数値ではありますが、具体的にどのように算出しているのかについて少し考えてみたいと思います。

オリンピックやワールドカップを開催する場合には、会場となるスタジアム、そこに至るまでの道路、街づくりといったインフラ関連整備費用が掛かります。また街を訪れる人たちは周辺の宿泊施設に泊まり会場に行くまでに食事をしたり交通機関を使ったりします。このようにイベントを開催することによって動く可能性のあるお金の総量のことを「経済波及効果」と呼ぶのです。

考えがちなのがこの経済波及効果をそのまま儲かる利益の量と考えてしまうことですが、考えなければならないのは特定の誰かが儲かるということではなくそのイベントによってどのくらいのお金が動いたのかということ。お金が動けば様々な関係者が潤うことになるので、その量の目安として経済波及効果をみるといいでしょう。

ちなみに日本で行なわれた主なイベントの経済波及効果について以下にまとめてみます。
・大河ドラマの龍馬伝
 長崎に与える経済効果は約110億円、高知県に与える経済効果が約234億円
・横浜開港150周年を記念し開催された「開国博Y150」
 経済効果は548億円
・石川遼
 経済効果は341億円
・地デジ移行
 経済効果は250兆円

大切なことは、予測で終わらせるのではなくきちんと定量的に結果を振り返ること。オリンピック自体が儲からなくても、観光産業やインフラ整備に関わった土木建設産業など全体としてどのくらいの人が雇用され、潤ったのかを見る必要があります。そして税金を使った部分があるのならその設備投資が長期的にどのように地域に行かされていくのかを始まる前に事前に目を光らせておくことが求められるのです。一部の誘致したい人が説得材料として使うのではなく、真の経済波及を生むためにどのような設備をどのくらい投資するといいのか、自分たちも無責任ではいられません。日本でも数年後、夏季オリンピックを誘致しようとする自治体が立候補すると思いますが、そのときこそ経済波及効果が理論的かどうかチェックしていきたいものです。

【参考】シゴトの計画
http://4510plan.jp/360/newscolumn/15347/index.html

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