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東京の「下町」の範囲は?

2010/05/16 Category: 日記

仕事で墨田区に出かける機会が多いのですが、幅の狭い路地に多くのお店が連なっていてそれぞれが昔ながらのたたずまいを見せていて、どこか懐かしさを感じることができます。こういった街に住んでみたいと思う人も多いのではないでしょうか。東京にはこのような下町と呼ばれる場所がいくつかありますが、どこからどこまでが下町なのでしょうか。

歴史学者の安藤優一郎さんによると、もともと下町が形成された経緯は400年以上前の江戸時代創成期にまで遡るといいます。1590年に徳川家康が拠点とした江戸城の城下町、今の日本橋周辺が下町の元祖で城や武家屋敷は軍事上の優位性から高台に建てらた一方で、商工業を営む町人の居住区は海や川に近い低地だったので、城の下の町という意味と、土地の海抜の低さから下町と呼ばれたそうです。

その後大火などを乗り越え、人口が爆発的に増加し江戸の市域は隅田川を越え、深川など下町と呼ばれる地域が東へ拡大していきます。その結果、現在の荒川区、墨田区、江東区の一部までが下町と呼ばれるようになったとのこと。今では「こち亀」で有名な下町の代表格である葛飾区が下町と呼ばれるようになるのは、東京23区が成立した戦後だというのですから驚きです。

こうして形成された今の下町について安藤さんは、「現代の下町は江戸の城下に住んでいた町人の子孫が、区画整理後の東京東部に作ったコミュニティ」と表現しています。移動した先でもしっかりと自分たちの文化を育て、そして根付かせることができる町民のパワーは本当にすごいものがあります。

荒川区、墨田区、江東区といった3区が下町という風に言われることが分かりましたが、台東区や文京区といった街の中をゆっくり歩いてみると、至る所に下町風情を感じることができます。そのなかで遊んでいる子供を見る度に、人情味あふれた街で暮らしているんだというあこがれを感じます。

こういった街独特の文化や雰囲気は一朝一夕で形成されるものではなく、何十年も何百年もかけてゆっくりと作られ、継承されていった大切な無形文化なのです。そういった温かい暮らしができる街に暮らすことができたら、こんな嬉しいことはないですね。

【参考】web R25
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20100506-00002207-r25

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