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モスバーガーの独自戦略

2010/03/14 Category: ビジネス

トクするクーポン券がメールで送られてくるとついついいってしまうマクドナルドですが、今アメリカの各都市を冠にしたバーガーが大流行しています。期間限定ということもありその珍しさから多くの人が一度は食べたのではないでしょうか。値段は他の商品と比較するとやや高めで高級感を打ち出していますが、他のバーガー類は薄利多売を基本としています。

そんなマクドナルドとは対照的なのがモスバーガーではないでしょうか。どの駅前にもあるマクドナルドとは異なり、駅前から少し離れた場所や大都市から外れた場所によくお店を見つけます。ちなみにモスバーガーの「MOS」は「Mountain(山)」「Ocean(海)」「Sun(太陽)」を意味しているといいます。名前にふさわしく食材には徹底的にこだわりを持っているという印象が消費者に定着しているのではないでしょうか。これは巨大なライバルであるマクドナルドとは徹底的に差別化を図った結果もたらされたものだといえると思います。そこでマクドナルドを比較対象としてモスバーガーはどのような戦略をとっているのかについて見ていきたいと思います。

◆出店場所
マクドナルドが日本に進出したのは1971年で東京・銀座に第一号店を開店しています。それに対してモスバーガーは1972年に東京・成増に一号店を開店しています。銀座と成増とでは地価も全く異なるのですが、これだけではなくモスバーガーは当初から駅から少し離れた不便なところに出店する戦略をとっています。この理由として、競合するマクドナルドが少ないということもあると思いますが、出店費用を抑えるためと言われています。

◆TV CM
マクドナルドが派手なピエロを利用してCMを売っていたのに対して、モスバーガーのCMをぱっと思い出せる人は早々いないでしょう。街の中で広告を見かけることすらあまりないのは、モスバーガーのある方針に基づいているためだったのです。それは、「店舗自体をメディアに」という方針で、CMに充てる費用をお店のPOPや看板に充てていたのです。お店の前には野菜の産地やメニューが黒板に手書きで書かれていてついついオシャレさに目がいってしまい入店するということがあると思います。

◆品質のこだわりに勝負
モスバーガーのイメージとして、注文から出てくるまで時間が掛かるという印象を持っている人もいると思います。自分もそうなのですが最近フレッシュネスバーガーを始めとしてこのようなお店が増えてきたような気がします。しかも1品あたりの値段が少々高めに設定されています。それでも納得できるだけの味を楽しむことができることから順調に店舗数を伸ばしているのです。

ちなみにポテトを例に考えてみます。マクドナルドのポテトは牛脂と菜種油を利用したショートニングというものを利用しています。これによって時間が経っても比較的しなっとせずに食べることができる利点がある一方で、ショートニングに含まれるトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させる働きがあることが分かっています。その結果、過度の摂取によって心臓病発症のリスクが増大する可能性があると指摘されてます。

それに対して、モスバーガーではパーム油と菜種油からなる植物油脂100%の油に、ビタミンEとオレイン酸を配合した栄養機能食品の油を使っているといいます。

通常食べる程度であればあまり気にしなくてもいいとは思いますが、その他野菜の産地などに関するこだわりを考えると、食品の安心という観点ではモスバーガーの方に軍配が上がるのではないでしょうか。

これはほんの一例だと思いますが、消費者が求めるのはおいしさと共に安さ、そして安心なのです。安心は、企業としての安心やこれまでの実績なども影響することから、マクドナルドが今もなお売れていることから考えても一定レベル以上はあるのでしょう。消費者がどの方向に強い思いを持つかによって行く先をかえているのです。同じハンバーガー界にあるこの二つが、今後どのように切磋琢磨し合いながらおいしく、安く、安全な食事を提供していくのか静観したいと思います。

【参考】シゴトの計画
http://4510plan.jp/360/newscolumn/16526/index.html

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