あしたまにあーな

朝のニュース番組では恒例となっている占いコーナー。1日の始めに自分の星座のところはすごく気になる人も多いと思います。自分ルールとしていい占い結果は信じて、そうでない場合には聞かなかったことにするようしていて、順位はともかくコメント部分は参考にすることも多くあります。

占いは、どこか自分に当てはまるなと思いこませてしまう魔力がありますよね。もちろんそれを含めて予言しているのだと言われるとそうなのかもしれませんが、実は占いのコメントにその秘密が隠されているといいます。コメントをよく見てみると結構あいまいだったりします。

「あなたは力を持っているのにそれを発揮しきれていない」
「今日ははっとする危険なことがありそうだ」
「意中の相手といい感じになれる」

もちろん具体的には書けない部分ではありますが、あいまいなものを残していると「自分に当てはまっているかも」と思わせるものがわずかでも含まれやすくなります。このように考えてしまう人間の心理を「フォアラー効果」と呼ぶそうです。

性格診断や心理テストに詳しい富山大学の村上宣寛教授によると、こういった曖昧な表現を人が見たときに、自分の願望に一つでも合うものがあれば根拠がなくても信じてしまい、自分に合わないものは見過ごして都合良く解釈してしまう傾向にあると指摘しています。このことは、人を前向きに考えさせるにはすばらしい能力であると共に、一歩間違えれば詐欺や犯罪へつながりかねない恐ろしいものでもあります。

占いとの関わり方は人それぞれですが、少なくとも占いによって1日にメリハリが付いて楽しく過ごすことができるスパイスとしてうまく利用できればいいですよね。そして信じるときには自分なりのフィルターを持ち、正しい方向なのかを一歩引いて考えるようにしたいものです。

【参考】日経Plus1　2009/10/03

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