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天地人 第18回「義の戦士たち」

2009/05/03 Category: 2009年_天地人

次回が大きな転換期であることが分かっているにも関わらず、今回の完成度の高さはすばらしいものがありました。希望と絆、そして絶望と勇気を一つの話の中でうまくまとめられていたと思います。

柴田勝家に完全包囲され絶体絶命になった魚津城を守る吉江と安部に、援軍と見せかけた景勝の軍勢が天神山に陣をかまえます。魚津城の人々だけでなく景勝本隊のなかの上田衆も吉江と安部を助けることができると決起するのですが、実はこれは兼続の策略でした。
景勝が春日山城を出ると周辺諸国から次々と敵が押し寄せてくることを考慮して、おびき寄せるために一度春日山の外に出たのです。この策を考えたときの兼続の心中はきっと穏やかではなかったに違いありません。後に仲間からも裏切られたとののしられるのですが、そんなことも全て自分がやったこととして受け入れるつもりだったのでしょう。

兼続が魚津城へ戦に向かう際に何も言わずに兵と一房の黒髪を届けたお船の気持ちは何事にも変えられない勇気を与えたことでしょう。自分が守るものをもち、さらに相手から絶大なるバックアップがあれば、人間は自分の実力以上のものを出すことができるのかもしれません。

そしてクライマックスにおいて、魚津から春日山に引き返す際に魚津城に残る吉江と安部は、上杉の誇りとともにこの魚津に残ると言い残し、兼続を引き返します。吉江と安部はあまり大きく取り上げられてきませんでしたが、上杉にとって、そして天地人というドラマにおいて非常に大きな役割を果たしていたといえるでしょう。そのくらい感動の場面でした。彼らの気持ちを無駄にしてはいけないと、みんなが思ったことでしょう。そして彼らが言い残した言葉は後々まで兼続の心に残っていくに違いありません。それは篤姫でいうところの菊本のような存在だったと思います。

次回の予告ではとうとう本能寺の変がやってきます。これまで積み重ねてきた明智光秀の織田信長への恨みがとうとう爆発するのです。ドラマの中の直接的なきっかけは毛利攻めをしている秀吉の援軍として行くよう命じられたことにありそうです。大きな流れが今動き出そうとしています。

□■天地人紀行■□
富山県魚津市
 魚津城跡
 天神山城跡


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