一言に込める感謝の気持ち
3月から4月へ。
時は移ろい、これまで一緒に頑張ってきた仲間と違う道へと進んで行かなくてはならなくなる季節です。人は安定した状態が好きで、その心地よさがずっと続けばいいと感じ、その先にある世界に期待と共に不安を抱くのです。
しかし、無情にも人は先に進んで行かなくてはいけません。自分が送られる立場になるのかそれとも送る立場になるのか、どちらにもなりえる中で自分が言われたら嬉しい言葉はありますか?もしくは言ってあげたい言葉はありますか?
多くを言いたいところではありますが、残念ながら一言で感謝の気持ちを伝えるのが精一杯。その一言に感謝の気持ちを込めるにはどうしたらいいのでしょうか。以下に、気をつけたい言葉について紹介します。
■相手が上司・先輩の場合
・「ご苦労様」「頑張って」「期待しています」は失礼にあたります。「お疲れさま」は当たり障りありませんが、あまりにも日常すぎるので感謝の気持ちが伝わりづらいです。
・定年退職する人に「老い」を感じさせるような「ゆっくりしてください」「趣味を楽しんで」といった言葉は避けましょう。「今後もご指導のほどよろしくお願いします」など後に続くような言葉がいいでしょう。
・栄転か左遷か分からないときは仕事の話は避け、新しいところの風土や趣味などがいいでしょう。
・具体的なエピソードを盛り込むと印象深くなります。時と場合、相手にもよりますが失敗談は避けた方が無難です。
■相手が同僚・後輩の場合
・親しいからといって恥をかかせるのはいけません。激励や応援を言葉に。
■相手が産休・寿退社の場合
・「スタートを切る」の「切る」など忌み言葉に気をつけましょう。
・産休をとる人には「無理をしないで」というように優しく送り出しましょう。「いない間の仕事は気にしなくていいよ」などと突き放した言い方はやめます。
自分が意図しなくても、こういった特別な時には意図しないとらえ方をされてしまい、せっかくの新生活に水を差してしまう結果となり、双方にとって悲しいことになってしまいます。そこで、言われて嬉しい一言ランキングを紹介します。
<上司・先輩から>
1.一緒に仕事して楽しかった
2.ありがとう
3.職場ではなくてはならない存在だった
<同僚から>
1.職場は離れても友達としてずっと付き合って欲しい
2.ありがとう
3.また飲みにいこう/もっと一緒に仕事がしたかった
<部下・後輩から>
1.ありがとうございました
2.もっと一緒に仕事がしたかったです
3.いつか自分も○○さんにようになりたいです
共通して言えるのは、相手の人間性が非常に魅力的だったということを伝えることだと分かります。自分が認められる存在、大切な存在だと気づかされるのはすごく嬉しいことです。また、素直にお礼をいうこともストレートに相手に届きます。
これからもその人と、人間関係を強く結びつけた状態にし続けるためにも、自分が日頃から感じる感謝の気持ちを自分の言葉で伝えることができるといいですね。仕事は人間関係の大きさで決まります。相手へ感謝の気持ちを伝えるということは自分の人間性を広げるためにも大切なことなのです。
【参考】日経Plus1 3月21日
冠婚葬祭ことばのマナー (2008/09/19) 尾形 圭子 |
大人のマナー基本はこれだけ!―これでおつき合いは大丈夫 (2004/10) 松本 繁美 |
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