混雑しているサイトで整理券を配ろう
人気のアーティストのコンサートチケットを買おうとした場合やテレビで放送したサイトを見たいと思ったとき、「ただいま混み合っているため、ページを表示できません」だったり、「503 Service Unavailable」などと表示されてしまうことってありませんか?
しばらく経ってからアクセスしなおすように促しているサイトもありますが、一体「しばらく」はどのくらいなんだろうという不安がよぎります。
リアルな世界では、待ち時間があるとあとどのくらいの待ち時間か教えてくれたり、整理券を発行して、自分の番が着たら優先的にサービスを受けられたりします。
しかし、Webの世界では長らくこの不親切な状況に「そういうもんなんだ」と甘んじてきてしまっていました。災害情報が表示されているような緊急性の高いサイトで、しばらく使えない状況が続くとしたら、考えただけでも恐ろしい気がします。
そんな不安を取り除くような技術が開発されました。それは、ウェブサイトが混雑してアクセスしづらい時に、サイト表示までの時間や順番などを示す仮想の「整理券」をパソコン上に表示するもので、NTTグループによって開発され、早速9月にNTTアドバンステクノロジから発売されるネットワーク制御機器「Webアクセスシェイパ2・0」に搭載されるそうです。
新技術はサイトへのアクセスが集中した時に、処理能力に余力があるサーバーにアクセスを分散したうえで、全サーバーの処理能力を上回る数のユーザーがサイトを閲覧しようとした場合は、アクセスを制限します。
ここまでは、既存の技術でもできていたことでした。この技術の真骨頂はここからです。新技術によって、サーバーがどれくらいのスピードで閲覧要求を処理しているかを自動的に計測します。
その計測された時間を、待機中のユーザーに対して「あなたのリクエストは、20番目に受け付けられました」「予想待ち時間は40秒です」という風に、パソコン画面上に「整理券」を表示するようにします。
ユーザーは、そのまま待っていれば指定された時間付近になると自動的にサイトにアクセスできる仕組みとなっています。
今後はいかに、この技術を搭載した機器が安く提供され、多くのサイトで導入されるかが鍵になると思います。
同様の技術を、電話システムにも提供して欲しいですよね。チケット販売の時など、「しばらく経ってからお掛け直しください」と何度も言われ、リダイヤルを繰り返す羽目になっています。
「待たされる」という行為に対して敏感になっている状況において、システムがいかにそこをケアしてあげるかが大切なんじゃないでしょうか。
【参考】FujiSankei Business i
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200808270025a.nwc
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