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ミクロ生命体が奇跡を起こす

2008/06/08 Category: 環境問題

熊本県水俣市に広がる水俣湾

そこは、1956年に水俣湾を中心に世界最大の水銀公害といわれる水俣病が発生し、悲劇の海として知られています。

しかし、今、その水俣湾には21種類のサンゴを含む豊かな海の世界が広がっています。そのすばらしさを多くの人に伝えていきたいと熊本市出身の女性水中カメラマン、尾崎たまきさんは言います。

では、なぜ汚染された水俣湾はこのような素晴らしい海へと変化していったのでしょうか。

国立水俣病総合研究センターの中村邦彦先生によると、自然災害において発生する水銀は1年に3万トンとされていますが、これは、自然の中に取り込まれていきます。しかし、人工で作られた水銀はバクテリアなどの働きによって非常に毒性の強いメチル水銀になってしまいます。これが水俣病の原因物質とされています。

熊本市は、水銀がたまったヘドロを除去する作業を行いました。これで多くの水銀がなくなりました。さらに、1983年、水銀に強い耐性菌である「シュードモナス菌」が発見されました。これは、耐性があるだけでなく、金属水銀に分解、メタンガスへ気化してくれる素晴らしい細菌です。全く異なる他の細菌にも遺伝して増加していくというおまけまで付いています。これによって、水俣湾の水銀は減少していきます。

海は浄化されていきましたが、人々の生活や気持ち、差別は簡単には元へとは戻りませんでした。しかし、尾崎さんを始め多くの人の努力によって後世にこの悲劇を伝え、同じ過ちを繰り返さないよう語り部となることで必死に乗り越えようとしているのです。

細菌というミクロの救世主がもたらしてくれたのは海というかけがえのないものと共に、人々に生きるための活力をももたらしてくれるなくてはならないものだったのです。

【出展】素敵な宇宙船地球号 6月8日放送


うみかぜ日記




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