日本から魚が消える日
数ヶ月前に日本の魚市場では大きな衝撃が走りました。それは、マグロが中国人によって買い負けを起こしてしまったのです。買い負けとは、外国人が高値をつけ競り落とすことで日本人が買えなくなってしまうことをいいます。
そんな現状を考えてか、ゲホウ(トウジン)、シイラ、ブラゴソ、ヒゲダラ、アブラボウズといった日本ではあまり馴染みのない寿司ネタも回転寿司で登場しています。このようにかつては捨てられていた魚が見直されるようになりました。それは、本マグロといった日本人がいつも食べていた魚が、キロ当たり4000円にも価格が高騰してしまったため、安さが基本の回転寿司では扱えなくなってしまったためです。
ここには日本が直面している悲しい現実が影を落としています。
鮭や真鱈がヨーロッパ、中国などに次々と買い負けをしてしまているのです。これは、外国でヘルシーブームに乗って需要が伸びているために起こっていることで、今後もどんどん外国での魚の需要は伸びていくものと考えられています。
特に中国では、中国最大の魚市場は近い将来築地を超えると言われていて、近海魚イシモチが1匹8000円といった高値で売られているほど人気になっています。
中国人バイヤーの曾さんは、長崎から高級魚を輸入し、上海で高値で売りさばいています。マグロの大トロは5きれでなんと8000円!もはや信じられないほどの高値になってしまっています。それでも、中国の富裕層の間ではほぼ毎日のように消費されていると言うから驚きを隠せません。
このように需要がどんどん伸びていっている現状に、40年後に魚が絶滅する危機に瀕していると警告する学者もいます。魚を今こそもっと大切に食べていく必要があるといいます。では、どのようにすれば大切に扱うことができるのでしょうか。
水産総合研究所では、世界中で食べられそうな魚を研究しています。ガストロ、キングクリップといった新たに開発された魚が現在スーパーで売られているのです。
変わり始めている日本の食卓
新しい食材もとりすぎていればいずれはなくなってしまいます。
刻一刻となくなってしまう魚資源
そんな魚との付き合いを今一度見直していく時期なのかもしれません。いつも美味しく食べている魚は数十年後には滅多に食べられないようになってしまうことだってあるのです。
回転寿司「激安ネタ」のカラクリ (別冊宝島) (2007/01/12) 吾妻 博勝 |
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