国産にこだわることがエコなのか
長らく12年もの間、多くの視聴者から支持を受け続いてきたテレビ朝日系の番組「素敵な宇宙船地球号」がこの度終了しました。世界で抱えている様々な環境問題や地球の危機を知る度に、自分たちに何ができるだろうと考えさせられるすばらしい番組でした。最近テレビ局の編成も予算の都合上厳しいものになり、コストが掛かる番組が次々と終了となる今、やむを得ない面もあったと思いますが、世界的にも日本としても環境問題に対する関心が高まっている時期の終了はなんだか寂しい限りです。
そして新しく始まったのが地球号食堂という番組。今まで慣れ親しんだものが変わったことによる違和感によるものなのかもしれませんが、どうもしっくりと来ないというのが印象です。もともとこの地球号食堂は素敵な宇宙船地球号のなかの一つの企画だったものですが、それが今回独立して後継番組となったようです。食材はすべて国産のものを使用し、おいしいものを作るというのが主な内容となっていて、毎回ゲストを迎えてエピソードやエコ活動の紹介をしながらも路線はグルメ番組といえます。
内容について今後どのように続いていくのかまだわかりませんが、今回最も感じたのは国産にこだわった食材で料理をすることが本当に環境問題への解決になるのか、ということです。100グラム700円する豚肉を購入して、なかなか手に入らない有機栽培で作った原料の調味料などは一般市民が手に入れることは難しいのが現状です。食育につながるというのであれば、もっと他に普通の人たちでも関心を高めるような提言はできると思います。例えば、ドギーバッグのような食べ残しを持ち帰ることや賞味期限切れの商品への取り組みなどたくさんあると思います。
この番組自体は、一つの方法を細分化して紹介する番組と割り切るとしても、国産食材だけを使うことがどのように環境問題への取り組みになるのか、続けて放送していくことの意味をもう一度しっかりと伝えて欲しいと思います。それと共に、素敵な宇宙船地球号のような世界で起こっていることを伝える質の高い番組がどこかで復活してほしいですね。
「素敵な宇宙船地球号」10周年特別選 DVD-BOX(3枚組) (2008/02/08) 大橋マキ西田ひかる |
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