中国で静かに広まるAA制の正体
先日、とあるファミリーレストランで食事をしていると、隣にいた中学生が精算をしようとしていました。何気なく眺めていると、携帯電話を使って1円単位まできっちりと割り勘をしていました。ここまでではないにせよ、大人の世界でも特別な人がいない限り大きな単位で割り勘が当たり前となっています。
ところがこの当たり前は、お隣の国中国では少し様子が違うといいます。中国ではメンツが大切な国であり、一番年上の人が一人で支払うのが通常ですし、友人同士の食事会であれば、誰か一人が奢れば次回は別の人が、さらにその次には別の人がというように、支払う人は代わっていったりして、一人が払います。当然ですがデートの際にも割り勘などはなく、当然男性が支払うことになります。
しかし、このような中国でも最近若者を中心に割り勘が広がりつつあるというのです。そんな割り勘の考え方をAA制(エーエージー)と呼んでいるそうです。語源は色々あるのですが、英語に由来している模様。
割り勘だけでなく、AA制は様々な言葉にくっついて類似語をも生み出しています。例えば「AA制婚姻」は家計を分けている夫婦のことをいい、AA制生活というテレビドラマも製作されているということから、徐々にこの考え方は広まりつつあるといいます。
みんなが平等であるというのはすごく合理的なことではありますが、一方で誰か中心となる人がもてなすという人間関係の上に成り立つ世界も魅力的ではあります。古き良きこういった文化が、一方的に割り勘によってなくならないよう、双方のいいところをうまく活用した支払い方法が広まってくれるといいと感じます。
【参考】日経Plus1 2012/03/31
国民性の違いがはっきりわかる本—たとえば、韓国人がめったに割り勘しない理由とは? (KAWADE夢文庫) (2011/11/16) 博学こだわり倶楽部 |
◆関連する記事◆