屋久島いのちの森 ?縄文杉の奇跡?
昭和41年5月、当時屋久町役場の観光課長だった岩川貞次さんが発見した、あまりにも大きい伝説の杉の木。時を経て、伝説の木は縄文杉と呼ばれるようなりました。
その他、ウィルソン株という樹齢3000年の杉もあります。幹はまっすぐだったため、豊臣秀吉の時代に大仏殿の材料として切り出されたというから、その古さを物語っています。このような1000年以上の杉がこの島には非常に多く残っているのです。
ところが、高度成長の時代に島の木々は次々にチェーンソーにより切り出されていきます。これにより島の森だけでなく海にも重大な影響を与えるようになりました。海と森はつながっているのです。
ここから、徐々に自然保護の声が高まっていきます。その自然保護のシンボルが縄文杉となり、とうとう1993年 日本初の世界遺産に登録されました。これで森は保護されましたが、新たな問題が生じました。
世界遺産に登録されたことで観光客が殺到するようになり、その結果縄文杉の根っこを荒らされてしまうようになりました。これにより、栄養分を十分吸収することができず成長が止まってしまう危険性もあります。現在林野庁を中心に土壌改良などの修復作業が懸命に続けられています。
屋久島は今も、観光、伐採と共生の間でバランスをとりながら息づいています。観光として屋久島の森に癒されたいと自分も思い、いつかはこの島を訪れたいと思います。
ただし、杉の年齢に比べて自分たちはたかだか数十年の命です。自分たちがこの世を去った後も彼らはずっとそこに居続けます。つらい思いを人間にされても、傷つけられてもそこに居続けるのです。
彼らから見たらちっぽけな存在である僕等が、観光をすることによって彼らを傷つけるようなことは決してしてはならないないことなのです。一人一人ができること、島を訪れたら木々を思いやることが大切だと思います。それと同時に前回もあった酸性雨のような国家レベルの取り組みを強く推進し、杉たちを守っていかなければならないのではないでしょうか。
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