地域によってここまで違う結婚式の引出物
6月に入り、ジューンブライドシーズンとなりました。この時期を見計らって結婚式を挙げようとするカップルも多いと思います。6月は梅雨の季節にも関わらず、なぜ多くの人が結婚式を挙げようとするのでしょうか。そこにはある欧米で伝わる「6月に結婚すると生涯幸せな結婚生活ができる」という言い伝えから来ています。
この言い伝えはギリシャ神話がもとになっています。主神ゼウスのお妃で最高位の女神であるヘラ(英語ではJuno)は、結婚・出産を司り、家庭・女性・子どもの守護神です。そのヘラが守護しているのが6月で、そのヘラのご加護を受けることができ生涯幸せになれるといわれる慣習が今に伝わっているのです。
そんな結婚式で一番頭を悩ますのが引出物ではないでしょうか。かつてはお皿などの食器類が主流だったのですが、最近ではカタログギフトが人気だそうです。確かにこの方が様々なニーズに応えることができるし、お渡しする方も楽だからでしょう。しかし全国的にみると引出物は地域によって様々な特色が今でも色濃く残っていることが分かります。そこで今回は地域性溢れる引出物を見ていきたいと思います。
◆北海道から東北
この地域は会費制の祝賀会が主流で、300人近い参加者になることがあるので、食器やタオルなどの記念品を贈る風習になっています。最近ではお菓子の人気も高くなりつつあります。
◆秋田県、山形県
寝具を用意する場合もあるそうです。大きいものなので結婚式の数日前までに引出物だけを届けて参加者の負担を抑えています。秋田県横手市周辺では披露宴で出た料理を折り詰めにしてもらう習慣もあります。まさにドギーバッグの先駆けですね。容器は持参するようなのでお忘れなく。
◆新潟県
全国でも引出物の品数が多いのが特徴で、記念品、菓子、果物などのかご盛り、赤飯、松の葉の5品を揃えるのが一般的です。松の葉とは新郎新婦の名刺代わりに、のしの上に「松の葉」、下に2人の名前を記入してペアグラスやタオルなど1000円程度の品を贈るものです。それらを夫婦で参加しても別々に1人ずつ渡します。
◆富山県
この地域での主役は「かまぼこ」です。それも巨大な鯛や鶴などを見事にかたどった細工かまぼこと呼ばれるものです。これが大きければ大きい方がいいとされ、最盛期にはかまぼこだけで10キロを超えたといいます。あまりに食べられないので最近では2キロ程度にまでなったそうですが、それでもすごい量です。
◆愛知県、岐阜県
引き出物は大きくかさばる物で、なおかつ重い物が好まれます。引出物の他に「名披露目(なびろめ)」をというものを添えます。これは2人の名前を覚えてもらうため、品物に2人の名前を書いて贈るものです。
◆香川県
「おいり」と呼ばれるあられ菓子を贈ります。おいりは、桃色や白色、緑色など色鮮やかな丸いお菓子で、昔懐かしい優しい甘さがあります。その食感はサクフワで口の中ですっと溶けてしまいます。このおいりは、今から400年ほど前、讃岐の丸亀城主へお姫様の輿入れが決まった際、農民がお祝いにと献上したのがはじまりだそうです。
【いっ福 あめ】《遊中川》101中川政七商店【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし】
このように、地域によって様々な風習があってなくてはならないものになっています。全国で同じではなくこのようにその場所ならではの引出物があると参加者としてはすごく楽しめます。選ぶ側としてはまずは考えるのは参加者への感謝の気持ちと喜んでもらえる演出です。ご年配の方もいれば若い方もいます。みんなに喜んでもらえるものを考えるひとときも幸せなことではないでしょうか。
【参考】
・Excite http://www.excite.co.jp/News/bit/E1274364667794.html
・wedding park http://www.weddingpark.net/special/hikidemono1/index3.html
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