タレント議員が出馬する真意は
国政選挙が近づくと、もともと知名度があるタレント議員を擁立しようとする政党が最近増えつつあります。少し前であれば東京都知事にまでなった青島幸男さんが有名ですが、最近では東国原英夫宮崎県知事、事業仕分けで有名になった蓮舫さんなどが挙げられます。
多くの場合、これらのタレント議員を比例代表として擁立し、増えつつある無党派層に対してその圧倒的な知名度を活かして票を集めることが目的だと言われています。タレント側としても議員であるという付加価値が付くことから断る理由は特にないでしょう。こういったお互いにメリットを享受できる状況にあることが、今の状況を生んでいると考えられます。
ところが、こういったタレント議員のうちどのくらいの人が政治の世界に精通しているでしょうか。東国原知事のようにタレント業の傍ら、大学で政治や経済を学びしっかりと準備をした上で立候補するのであればいいのですが、そういった知識もなく立候補すれば、どのように活躍できるかが不明確で、自分たち国民にどのように貢献してくれるかが不透明なままだと思います。
通常、政治家になるためには、秘書、地方自治体の議会、首長などを経験し、政治についてしっかりと学ぶと思います。それをすべて割愛し元々ある知名度だけで立候補するからには、上記のような知識や経験を独学で身につけておく必要があります。
選挙の際に、自分たち有権者は誰かに任せっきりになるのではなく、こういったタレント議員についてただ面白いから、知っているからという理由だけで投票をしないように、その資質があるか、自分たちの暮らしに貢献できる力を持っているのかを見定める必要があるのです。
選挙の経済学 投票者はなぜ愚策を選ぶのか (2009/06/25) ブライアン・カプラン |
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