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「ウォームビズ絶滅の危機」の要因は?

2010/01/30 Category: 環境問題

2005年に環境省がクールビズの秋冬版として発表した「ウォーム・ビズ」は、室温を20度前後に設定し、それによって感じる肌寒さを暖かい服装によってカバーする活動です。活動の開始から5年近くを迎え企業の認知度は確実に高まり、実際に室温を20度に設定しているという企業の割合も昨年度は56%と伸びつつあることが分かります。(チームマイナス6%のwebページより)

しかし、企業の活動が活発になりウォーム・ビズ活動に参加している企業が増えているにも関わらず、ウォーム・ビズ用の衣類として期待されていたセーターやベストといった衣類の販売商戦は消えかかっているというのです。クール・ビズ関連商品の売り上げとは対照的にウォーム・ビズ関連商品の売れ行きが悪くなっている背景としてその認知度以上にある商品の爆発的な売れ行きが影響を及ぼしていたのです。

それが、ユニクロの「ヒートテック」を代表とする発熱・保湿下着の登場です。昨年はユニクロのヒートテックは販売開始から手に入りにくい状況が続き、希望する消費者に行き渡ることがなかったため顕在化しませんでしたが、今年はその販売量が激増し、需要を満足するだけの供給を行っただけでなく、ヒートテックの関連商品も下着メーカーやスーパーのプライベートブランドとして、多くの製品が世に出回りました。その結果上位5社で発売する保温下着だけで6400万枚もの販売量を今年見込んでいます。

これらの機能性下着の多くが2000円以下で購入することができる安価な価格であることや、1枚着ていればその上にさらにセーターやベストといった衣類を着込まなくても十分温かいという機能性から、本来ウォーム・ビズ商品として期待されたセーターやベストの売れ行きが大幅に下がってしまったのです。一部セーターやベストと機能性下着を共に扱っているところは売り上げとしては一長一短ですが、多くのアパレルメーカーウォーム・ビズの恩恵を受けることなく厳しい戦いを強いられているのが現状です。

こういった動きも本来のウォーム・ビズ活動として考えてみると大成功といえると思います。消費者はより安く温かい商品でかつファッション性に優れるものを探し求めています。自分の会社ではスーツにYシャツでなければならないというものはなく比較的自由な服装ですが、なかにはセーターを着るのに抵抗を感じてしまう人もいるでしょう。そういった人にとっても機能性下着であれば暖かさを感じつつも見た目はいつもと同じなので抵抗は少ないでしょう。そういったサラリーマン心理も生じているのかもしれません。

こういった流れに対してウォーム・ビズそのものの運動を鈍化させてしまうのではなく、新しい需要であると気持ちを切り替えて消費者の目に立った新たなウォーム・ビズ商品の開発をアパレルメーカーには期待したいと思います。

【参考】日本経済新聞 2010/01/29


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