家を持ち上げるのに必要な風船の数
ものすごく素朴な疑問を真剣に実証する人たちがいます。例えばドラえもんの道具の1つであるタケコプターで人を浮き上がらせるためには実はものすごい回転力が必要であり人間の首がそれに耐えられないことやスモールライトの実現についてできる、できないの議論が続いていたりします。逆に実現してしまったのがガンダムでしょう。先日お台場に巨大なガンダムの実物が作られ、その上に乗る権利を高額でGETした方が嬉しそうに語っていたのが印象的です。
そんな素朴な疑問のひとつに、「人間は空を飛ぶために風船が何個必要か」というものがあるでしょう。数々のアニメや小説、ドラマの中で風船につかまって空へと逃げたり、自由に飛び回ったりするシーンを一度は見たことがあるのではないでしょうか。同じようなもので気球がありますが、こちらは乗って人が飛ぶことができます。自分も一度乗ってそのふわっとした乗り心地に始めのうちは怖さを覚えたのですが、慣れてくると何とも気持ちよく感じたものでした。
それを風船で飛ばそう、さらに人ではなくもっと重い家を持ち上げるには何個の風船が必要なのか、そんな疑問に立ち向かった小学校があります。それが千葉県柏市立花野井小学校です。映画「カールじいさんの空飛ぶ家」にヒントを得て、実際にやってみようという事になったそうで、素晴らしいことにガス会社も協力してもらって万全の体制で臨んだそうです。しかし、実際の家を持ち上げるのはさすがに難しかったので、約660グラムある家の模型を持ち上げることにしたようで、ヘリウムが入った風船245個でゆっくりと浮き上がったといいます。
実際の家の重さを約40トンと想定すると、約6万倍の1484万個の風船を取り付けることによって浮き上がらせることができる計算になります。人や家財道具について端数だとしても約1500万個の風船をどうやって取り付けるのかという新たな疑問もわき上がりますが、風などがなくベストコンディションであればできる期待がもてる結果を導いてくれたすばらしい実験だと思います。
子供たちがこのような実験から科学の世界に少しでも興味を持ってくれ、21世紀半ばには風船で家が持ち上がる方法が見つけ出されるかもしれません。ある日起きたときに家が空を飛んでいて家にいながら旅行することができる世界が来て、空の世界でも家の大渋滞が起こっているかもしれません。飛ぶだけでなく、きちんと制御できる仕組みも考えて欲しいですね。
【参考】asahi.com
http://www.asahi.com/edu/news/TKY201001280472.html
THE ART OF カールじいさんの空飛ぶ家 (2009/11/20) ティム・ハウザー序文・ピート・ドクター |
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