厚着しない人たちの理由
街中に雪が舞い散る頃、外に出ると本当に体の芯から寒さを感じぶるぶると震えてしまうのが分かります。ユニクロのヒートテックを肌着にし、その上に3枚ほど着込んだ後にモコモコのファーがついたダウンジャケットを着込んでいても、家を出た数分後にそこまで寒さを感じてしまいます。
ふと周囲を眺めてみると、なぜかみんな薄着でジャケットの前を開けて歩いている人もいるくらいで、ほとんどが薄着のような感じがします。昔から寒がりだとは思っていたのですが、このように本格的な冬を迎えるとそれを実感させられるのです。
では、周囲の人はなぜそんなに薄着でいられるのか、真剣に考えてみることにしました。以下にいくつかの仮説を挙げてみたいと思います。
◆仮説1: おしゃれ
これは確かにあると思います。モコモコに着ぶくれした姿は決してかっこいいものではありません。スマートに着こなすことによっておしゃれは成り立っているのです。各アパレルメーカーもそれを後押ししており、ユニクロのヒートテックに代表されるような薄くても十分温かい服を提供しています。
また、今ではモコモコになりがちなセーターの購入額も2000年と比較し3分の2に減少し、代わりに軽くて薄いカシミアセーターが2000年から2倍も売れるようになっているといいます。
◆仮説2: 寒さを感じない
自分以外の人は寒さを感じないようになっているのではないかと仮説ですが、残念ながらこの仮説を発展させるだけの材料がないため、このあたりでおしまいにしたいと思います。
◆仮説3: 外を歩く人が少ない
今は暖かい場所がたくさんあり、着込んでしまい電車の中に乗ると途端に暑く感じます。うまく調節すればいいのですが比較的混んでいるとそれもままならず汗をかいてそれで外に再び出るので余計寒さを感じるという負のスパイラル。
国土交通省の調査によると、2009年時点で最寄り駅の10分以内に住む人は全体の66%にも及び、別の調査では20歳から39歳の人が外に出て移動する回数は20年前よりも1割程度減少しているといいます。
また、車で移動する人も増えていることから寒さにずっと身をさらし続ける機会が減っていることから、薄着になっていると考えることができます。それを裏付ける情報として北海道の大手百貨店では服の売れ筋が東京とあまり変わらないということまであります。
このように、服の素材そのものの進化と寒いところを歩く時間の減少から、人は薄着になっていったと考えることができます。寒い場所は確かに歩くのですが、その時間が短いので我慢しているということになります。そう考えると、自分だけ寒がりなんじゃなく、みんな我慢してるだけだと開き直ることができ少しだけ気持ちが楽になれるような気がします。
【参考】日経Plus1 2011/02/12
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