酔っても帰れる理由
酔っぱらって記憶をなくしてしまっているにも関わらず、なぜか家にたどり着いていることありませんか?
途中の帰り道、どのように電車に乗って家の鍵を開けて入ったのか全く覚えてないんだけ、朝になるとなぜか家のベッドで目が覚めるということも多いのではないでしょうか。よく帰巣本能という言葉で表現されますが、本能という言葉で片付けてしまうには少しもったいないような気がします。
その謎に対して解決させてくれたのが専門家である西園寺克さんです。記憶には、時間的には秒から分単位の記憶である短期記憶と、年単位に及ぶ記憶である長期記憶の大きく2種類があるといわれています。
家に帰りドアのカギをあけるのに使う記憶は長期記憶に基づく道順と動作だといいます。特にカギを開ける動作には手続き記憶といって、大脳だけではなくて体の動きを制御する小脳なども関係しているそうです。短期記憶は一時的な記憶なのに対して、長期記憶はずっと覚えているものなので酔っていても忘れずに記憶から取り出すことができるのです。
この長期記憶の奥底に眠る手続き記憶は鍵を開けるといった動作を実行してくれるのですが、実行したことを記憶しないそうです。酔って帰るときに使う記憶だけでなく、普通に朝仕事や会社に行ったあと、家の鍵をかけ忘れていないか不安になるのもこの手続き記憶の有効期限の短さにあるとのこと。すぐに忘れてしまって困ると悩む必要はなさそうです。
意識的に指さし確認を声を出して行ったり工夫することによって、手続き記憶を短期記憶や長期記憶へと導き、実行したことを覚えていられると思います。もっとも記憶に頼らなくてはならないような自体を避けて、記憶をなくすほど酔っぱらわないようにすることが最も大切なのかもしれません。
【参考】All About
http://allabout.co.jp/
認識と行動の脳科学 (シリーズ脳科学) (2008/07/23) 不明 |
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