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小さな弁当屋の大きな挑戦

2009/04/13 Category: 環境問題

母恋めし

熊本県八代市から鹿児島県霧島市に至るJR肥薩線を走る、特急はやとの風が今人気を人気を集めています。その理由は駅弁「百年の旅物語 かれい川」です。

この駅弁の生まれ故郷は、鹿児島県嘉例川(かれいがわ)駅です。平日は静かなこの駅も休日になると駅弁を目的に多くの人が訪れ、150食用意された駅弁が飛ぶように売れていきます。人気の秘密は地元の人たちが作ったもので作られている家庭料理であることが挙げられます。

食材も地元産を利用する「地産地消」を実践した「百年の旅物語 かれい川」は、今まで中国産におされていた地場しいたけ農家の息を吹き返させ、自分用にだけ作っていた切り干し大根を作るおばあさんに元気を与えました。

このように駅弁は地域と人を元気する力があるのです。旅行ジャーナリストの小林しのぶさんは、これからの駅弁は「エコ」と「地産地消」、そして「健康」がキーワードになっているといいます。

駅弁は鉄道とともに進化していき、駅弁開発競争も激化していった結果、現在では2000以上の駅弁が存在する激戦となりました。そのどれも個性に溢れた駅弁ばかりで、上記のキーワードのいずれかをコンセプトに据えています。

北海道室蘭本線 母恋駅の駅弁もその一つです。母恋とは、アイヌ語のゴックイからきていて、ホッキ貝がたくさんあるという意味なんですが、この母恋駅で有名なのが母恋めし(980円)です。ホッキ貝をたくさん使った駅弁で、母恋めしがあるから人が来るようになったという、町おこしにも一役買っている駅弁なんです。

この母恋めしを作っているのが関根さん。一日40限定でおにぎりの形をした母恋めしは元々関根さんの家庭料理から生まれたものでした。メインとなるホッキ貝は毎朝近くの海まで行って塩出しして作っています。

そんな関根さんのもとに近くにある室蘭駅の駅長から駅弁を作ってほしという依頼が舞い込んできました。かつて鉄の街として栄えた室蘭も今ではさびれてしまい、1日の乗降客もピークの6分の1である550人ほどになってしまいました。その室蘭駅が駅弁の力に身を任せたのです。

関根さんが室蘭駅の駅弁を作るときに掲げたコンセプトは以下の2つ。
・地元の食材を使う
・環境に配慮する

室蘭の眼前には豊かな噴火湾が広がっていて良質なホタテがとれます。ジャガイモは、有珠地区のジャガイモが甘くて美味しいことが分かりました。保存するために土の中にジャガイモを入れているため、寒いほどデンプンを分解して糖にかえる性質が働き甘いのだそうです。その他、豚肉は豊浦、塩は洞爺湖町にある土木事務所内の製塩所で作られた甘い塩を利用し、地産地消が実現します。

環境に優しいという面では、包装に竹の皮を利用しました。実は駅ゴミの中で駅弁の包装紙が多くの割合を占めているということからも、いかに負荷を与えないような包装にするかが鍵となっていました。ちなみに日本全国に目を向けてみると、駅弁の容器を利用して貰うために様々な施策を行っているのです。例えば、横川駅で有名な「峠の釜飯」に使われる釜は着払いで送り返すことができるそうです。送り返された釜は砕かれて路盤材として道路などに利用されています。

このように駅弁で地域を救う例は日本全国各地で続々と登場しています。日本の食の問題を解決してくれることを願って今日も駅弁は走り続けるのです。

【参考】素敵な宇宙船地球号 4月12日


≪北海とれとれセット C≫毛がに!ばふんうに!あわび!ほっき!カキ!【北海道産】


色鮮やかな笹の葉に包まれたますの寿しは常に駅弁の人気ランキング上位の人気商品です。富山名…




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