温暖化は待ってくれない
アジア太平洋サミットが先日開かれました。
そこでの議論について野口健さんは、その憤りを日経新聞に書いているので紹介します。
部会に割り当てられた時間は2時間で、はるばる遠方から駆けつけたブータンのドルジ首相に与えられた発言時間はたったの2分間。
ブータンのあるヒマラヤは今でも氷河が溶け出していて、このままでは2035年には消滅してしまうと言われています。その氷が溶けた水が決壊して、流域の街をすべて押し流してしまうのです。
そういうことを世界に訴えたいにもかかわらず、たった2分で何を話せるのでしょうか。
太平洋・ニウエのビビアン首相は、「いつまで話し合いばかりしているんだ。毎年のように会議をしているのに何も始まらない。私たちには時間がない。今必要なのはアクションだ!」と激高したそうです。
日本政府からも何一つ具体的な解決策が発せられず、アメリカよりに「目標値よりも枠組みを作る方がいい」と慎重さを保っています。
確かにうかつなことをいってしまうと、温暖化ガスを大量に放出している日本が、まずは取り組めと世界的に非難を浴びるんだと思いますが、国民への呼びかけを通じみんなで苦労するときなんじゃないでしょうか。
来年には、北海道で洞爺湖サミットが開かれ、そこでの最大のテーマは気候変動です。今こそ日本が世界に温暖化対策の具体的な方策を指し示し、リードしていくべきだと思います。
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