あしたまにあーな

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西郷どん 第37回「江戸無血開城」

2018年9月 30日 By: rainbow Category: 2018年_西郷どん No Comments →

江戸城総攻撃の前日、吉之助に徳川家の存続を訴える天璋院の姿がありました。自分と慶喜の命と引き換えに徳川家の存続を求める悲痛な姿に吉之助は複雑な心境を見せますが、それでも完膚なきまでに徳川を潰す必要があるという自信の強い信念は変わることがありません。

前回山岡鉄舟によって、そのあたりの今内乱をしている場合ではないということを理解したのではないかと思われたのですが、今回天璋院との話ではそういった考えの変更はみられなかったようにみえます。

それよりも、吉之助の心を動かしたのは勝海舟でした。主張している内容は山岡鉄舟とそう変わりないのですが、それでも幕臣筆頭として江戸城を開城すると正式に申し出たことが大きかったのでしょう。途中刀が様々なシーンに登場したのはきっと緊迫した状況を演出するものであったと思いますが、遠藤憲一さんのおだやかな雰囲気によって、なんとなく落ち着いて見ていることができたように思えます。最後にしれっと上野に西郷の銅像を建てるといった発言もありどきりとしました。

結果的に、ここで無血開城が実現し、さらに慶喜と会って鳥羽伏見の戦いで逃亡した真の理由を聞くことができた吉之助は慶喜のことを許すことができたのではないでしょうか。これ以降彰義隊や戊辰戦争といった最後の戦いが始まりますが、それでも徳川家に直接責任が及ばなかったのもきっと、ここでの和解があったからなのかなと思いながら次回以降を楽しみにしたいと思います。

■紀行■
・東京都墨田区
・東京都港区


NHK大河ドラマ「西郷どん」オリジナル・サウンドトラックI 音楽:富貴晴美

西郷どん 第36回「慶喜の首」

2018年9月 24日 By: rainbow Category: 2018年_西郷どん No Comments →

ついに世の中に名高い鳥羽伏見の戦いが始まりました。前回自分は八重の桜で会津藩からみた鳥羽伏見をみていることから、逆に立場で見たときに会津など幕府軍がどのように見えるか楽しみにしていました。

結果として会津軍が注目されることもなく、終始優勢に戦い進めながらも岩倉の画策による錦の御旗作戦によって、逃げるように陣地を放棄して行く姿をみて、なんとも空しくなってしまいました。薩摩側から見てしまうとこうなってしまうのはわかりますが、せめて幕府軍の思いも一緒に描くことによってこの戦いの意味をそこに持たせて欲しいと思うのはわがままなんでしょうか。。。

その鳥羽伏見の戦いの中で首に銃弾を受けてしまった信吾。多くの兵が負傷する中で信吾の生死が焦点となります。表だってお見舞いに来てくれない吉之助は陰でイギリス人医師を京の町の中に入れるための根回しをして必死に信吾の命を救おうとします。そのおかげもあって信吾は命をとりとめ、そして未だわからない兄の理想像を追い求めて同行することになります。

そして、いよいよ江戸に向かう新政府軍。完膚なきまでに慶喜を叩き潰すことを心に誓った吉之助の心を溶かしたのは旧幕臣であり勝海舟の部下であった山岡鉄舟でした。演じるのは藤本隆宏さん。どっちが西郷かわからないような体裁ですが、調べてみるとその昔藤本さんも西郷を演じたことがありました。

この新旧西郷の圧倒的な存在感によって江戸城無血開城の根回しはほぼ完了したのでした。次回はその総仕上げとなりそうです。


NHK大河ドラマ「西郷どん」オリジナル・サウンドトラックI 音楽:富貴晴美

平清盛 第6回「西海の海賊王」

2012年2月 12日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回の最後でものすごい戦いを予想させるシーンで終わった西海の海賊退治。今回はそのシーンを中心に大切な分岐点を織り交ぜるという内容となりました。

始めて一戦を交えた海賊と平氏は、完全に平氏の完敗に終わります。清盛の乳父である盛康は深手を負ってしまい、もはやこれまでかという瀕死の状態で戻るわけですが、その後もしっかりと意見していたので、なんとか元気になれたようです。

巨大な船が宋から来た唐船の威力を始めて知らしめられた平氏ですが、その唐船と棟梁を知りたいと思った高階通憲と清盛は二人で海賊船を探しに出ます。高階通憲が出てくると何となくバラエティー色が強まるような感じがします。始めて登場した際にユーモアあふれる状況であり、その後も雰囲気はそのままだったのも大きいと思います。そんな二人はこの理不尽な世の中に憂いを感じ、身分に関係なく実力がある人はどんどん登用しようという宋という国に行こうと意見が合います。この後に登場する兎丸にも共通する日本を何とかしたいという共通する思いと共に、この頃から考え方が同じような人たちが同士となり得る要素を含んでいたのかもしれません。

捕らえられながらも思い通りに唐船に乗り込むことができた通憲と清盛。そこで棟梁の兎丸に出会います。先日加藤浩次が登場するということが話題になっていましたが、実際に見てみるとすごく似合っています。話し方も途中から関西弁がばりばり出ていて、時代的にどうなんだろうと思ってしまうところもありましたが、雰囲気は良く出しているように思えました。

兎丸は、居場所がなくなった農民や漁民などを自分の船に呼んで、適材適所で仕事を与えていったことによって、自分を補佐する最高の部下を持てるようになっていました。志は違えど、この思いに感動した清盛は「この男と一緒に何か大きいことをやってやりたい」と思うようになっていったのだと思います。

このあたりのシーンは本当に迫力がありました。NHKのページを見てみると昨年の9月頃から撮影をしていて、CGなどを使わずに現場での撮影にこだわりがあり、見ていてぐっと引き寄せられるシーンが数多くありました。大河ドラマはやはり大きな迫力をどこまで演出できるか、そういう側面もあると思うので、今回はこれぞ大河と思えるシーンを見ることができたと思います。

そんな兎丸に捕らわれた清盛を救うかどうか、忠盛たちは悩みます。助けにいってやられるようなことがあれば、この任務は完全に失敗に終わり平氏は終わり、そんなぎりぎりの選択の結果、出した答えは清盛を助けにいく、それも平氏全員で。これが一つの転換点となりました。

翌朝、つるし上げられている清盛を平氏のみんなが助けに来ます。ものすごい死闘の末、平氏は見事勝利。このシーンで、棟梁の兎丸と清盛の一騎打ちはものすごい迫力でした。約6分間、カットも入れずに二人の間合いが続きます。二人にとって、小さい頃から様々な思いを相手に対して思っていた関係であることがわかり、その思いが激しい戦いへとつながっていきます。兎丸は結果、疲れ果て双方倒れます。捕らえるように命じた忠盛に清盛は、この者たちの処遇は自分に任せてほしいと進言します。結果として平氏の仲間となった兎丸は、上記でも書いたように、はじめから仲間になる雰囲気を持ち合わせていたのかもしれません。

今回の最大のポイントは、今まで平氏のお荷物だと自他共に思っていた清盛ですが、自分のために全員で助けに来てくれる平氏を見て、自分は血はつながっていなくても平氏の一員であり、武士であると心から感じたことにあります。これによって、清盛は一つ大人になって平氏全体のことを考えながら大人な対応ができるようになるでしょう。

前回まで中心になっていた鳥羽院周辺の出来事は、今回は大きく進展することもなく次につながるのはもう少し先のことになりそうです。また、義朝も熱田神宮で後の頼朝の母となる由良姫と最悪の出会いをしています。周囲も少しずつ物語の導線を広げつつ、次回はどの方向に話が広がっていくのか楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
広島県竹原市
 ?瀬戸内海
 ?耳無地蔵
 ?忠海