あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 大東駿介


花燃ゆ 第45回「二人の夜」

2015年11月 08日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

題名が完全に怪しいのですが、この場面は物語の最後の数分のみ。しかもこのことが引き起こす出来事は次回に本格的な展開が見込まれるものの前振り。これでこのタイトルとは完全に視聴率を求めにいっているような気がしてなりません。

今回は、近代農業の父と呼ばれる船津伝次平の登場や粗悪品の生糸から群馬を守るために奔走した楫取や星野長太郎といった人物の動きもありました。西南戦争が終わり本格的に武士の世の中は終わりを迎え、産業や人々の活気といった部分でトピックを見つけ、どんどん物語をすすめていく必要があるとは思うのですが、今回のように物語とほとんど関わりの無いタイトルを利用して、その回の内容を視聴者に伝えられていない状況を見るとなんだか悲しい気持ちになってしまいます。

そんな中で、やはり阿久沢が抵抗勢力であることが今回明らかになります。元々公務員でありながら個人的にも仲買人として利害関係を持っていることから、改革の必要性は理解しつつも自分の利益をどうしても優先してしまう構図を見て取ることができます。

これは現代においても当てはまるものがあるのではないでしょうか。彼らを説得することは非常に困難だと思うのですが、これに対して、次回以降楫取達がどのように対応していくのか楽しみにしたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
群馬県前橋市
 - 船津伝次平翁贈位記念碑

花燃ゆ 第42回「世界に賭ける糸」

2015年10月 18日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

群馬県令となった楫取が最初に取り組みべき事案は県の主要な産業である養蚕業について現状を把握することにありました。しかし、関連資料の提出を部下に指示してもなかなか手に入らない始末。様々な状況からどうやら阿久沢権蔵がキーパーソンとして関連事業を取り仕切っており、多くの権限を持った人物であることが判明します。しかもこの阿久沢は、個人でも生糸に関する事業を行っており誰よりも早く生糸相場を横浜などの港町から入手していました。こうなると完全に楫取との一騎打ちになるのだろうと思って、阿久沢を演じる江守徹がどこまで悪人のような雰囲気を出しながら、楫取の抵抗勢力として様々な妨害をするのだろうと楽しみにしていたのですが、現実的にはあっけない終わりでした。

それは、楫取のもとにやって来た星野長太郎と、その弟の新井領一?が生糸を直接取引を世界を相手に行いたいという話がきっかけになります。この二人の志はこれまで楫取や美和、そして寅次郎たちと同じであり、この思いを実現させることは大切であると考え群馬県としても支援する方向になります。しかし当初は阿久沢などの反対が当然のようにあったのですが、楫取が直接阿久沢の店に赴き交渉を重ねたことによって、阿久沢も支援することになるのですが、もう少し抵抗した方が乗り越えた壁の高さを実感することができたのではないでしょうか。

一方、杉家では前回までバリバリ元気だった敏三郎が危篤状態であるとの知らせが。急いで帰った美和ですが、そこで最後の力を振り絞って敏三郎は、自分は世の中の役に立てたのか、という自問。この問はまさに自分も強く思っていることで、もの凄く考えさせられました。思いの外敏三郎に対する愛情を脚本から感じ取ることができた一面でした。

さて、次回は前々から不穏な状況だった萩にいる前原がとうとう士族の不満を一手に引き受け、立ちあがります。これに否応なく巻き込まれる美和たち。どのような状況になっていくのか楽しみにしたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
群馬県富岡市
 - 富岡製糸場

群馬県桐生市
 - 水沼製糸所跡

平清盛 第13回「祇園闘乱事件」

2012年4月 01日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は清盛が起こした騒動である「祇園闘乱事件」一色となりました。ここまで題名と内容がぴったりと合うのも珍しいことではありますが、それ故終始一つの内容をしっかりと見ることができて満足できるものとなりました。

強訴を当然快く思っていない比叡山延暦寺の僧侶たちは、平氏の中で一番の弱みである兎丸を挑発することによって見事混乱を起こすことに成功します。絶対的なものを背中に背負っていることから、かの白河院も自分の意のままにすることができなかったと言われる僧侶たちですが、清盛たちもまた同じように苦労することになります。

きっかけは些細なことではありましたが、いずれ平氏の存続を揺るがすほどの大きな出来事となっていくのですが、ここでも存在感を見せつけたのが忠盛です。ここぞとばかりに検非違使に被疑となった人々を差し出し、さらに自分と清盛を連れて検非違使で蟄居する選択を即断します。

この中で、普通なら自暴自棄になってしまいそうになる清盛をうまく抑え、効果的な言葉を発します。それは舞子とのなれそめと清盛をなぜ自分の子供としたのかということ、さらに清盛が平氏や世の中にとってなくてはならない人物であることを語ります。この後の清盛はどう感じたのか分かりませんが、最後の場面で非常に効果的であったことがわかります。

平氏をつぶそうとする人は多く、この事件をきっかけにして藤原摂関家の頼長などは、いつものように事実をねちっこく調べ上げて、鳥羽院に直訴します。このいやらしさがあってこそ、困難な状況であることが強調されているのだと思います。そういう意味で頼長も物語の中になくてはならない存在だといえます。

鳥羽院はどのように判断したらいいのか完全に分からなくなってしまい、得子に自分がまだ白河院の亡霊から逃れられていないということを告白します。自分の体に流れる血が白河院を彷彿とさせるというのです。後から考えるとこの出来事や言動がフラグになっていたのだとわかりますが、このときはまだまだそんなことは分かりません。

迷い抜いた鳥羽院は蟄居している忠盛・清盛のいる検非違使に向かいます。そこでの出来事は本当に緊迫したすばらしい描写となりました。

「神輿に矢を放ったのは、わざとか、それとも手違いか?」

この究極の質問に対して、清盛は手にさいころをぎゅっと握りしめて、考え抜いた結果わざとだと述べます。忠盛も静かにそれを見つめています。このあたりの感情は分かりづらく、視聴者にゆだねられているあたりの演出ににくさを感じつつも、自分もまんまとそれに乗ってしまい「忠盛はどう思っているのだろう」と気になって仕方がありません。

さらに鳥羽院は、「ならそのときのように自分をいってみよ」と述べます。ここでも完全に試されている感がありますが、清盛は鳥羽院に弓をいるふりをすることを決断。鳥羽院は自分から白河院の血が吹き出ていると喜びます。

一歩間違えば、平氏そのものの運命が尽きてしまうばくち的な状況下で、見事正解を導いたのは、忠盛曰く「清盛はばくちがうまいな」という一言に尽きるのでしょう。このあたりの様々なフラグが一つの結論にしっかりと収束する美しさを感じずにはいられませんでした。

そういう意味で、今回の内容はしっかりと計算し尽くされた物語であり、用意された敷石を確実に通ることによって、平氏の運の良さを演出することに成功しているのです。次回は家盛が反乱を起こすようですが、なんとなくうまくいかないような気がします。

きっかけの描写もかなり薄いことから、次回でこの反乱も終わってしまうのではないかと予測しています。それがどうなるのか、楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 ?祇園女御塚
 ?八坂神社
 ?舞殿
 ?本殿
 ?忠盛灯籠

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