あしたまにあーな

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花燃ゆ 最終回「いざ、鹿鳴館へ」

2015年12月 13日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

始まって以来様々な批評を受けてきた花燃ゆですが、とうとう最終回となってしまいました。オープニングの曲はすごく好きだったので、最終回でフルバージョンを見ることができなかったのが少し残念です。また、延長もせずにいつもの尺で終了してしまうのも寂しいですが、その分しっかり見たいとおもいます。

前回から話題になっていた群馬への鉄道敷設の話から物語は始まります。貴族や有力な実業家たちが毎夜社交の場として活用している鹿鳴館を利用して楫取たちは資金集めに奔走します。鹿鳴館での伊藤は昔の伊藤のままで伊藤博文というよりも劇団ひとりとして登場しているかのような軽い雰囲気なのが面白いところで、かえって人間味溢れる演技となりました。

その鹿鳴館の中で資金援助をすることになった決め手は今回もやはり美和でした。女性達に全ての人が教育を受ける権利持っていること、そしてそれを実践している群馬の人々の力で自分たちが今着ている服もできている可能性があるということを婦人たちに知ってもらい、彼女たちが実業家の人々へ後押ししてくれたことによって実現したものでした。

群馬への鉄道建設を終え、さらに就業率が全国ナンバー1になったことで、楫取は自分の引き際を考えます。そしてそれに付いていく形で美和も群馬の地を離れることに。残り時間も少ないことからこの辺りで群馬の先の話がどこまで進むのかちょっと不安になってきます。その予想は的中し、汽車に乗る二人の姿ばかりが映し出され、話は終わってしまいます。

その後の楫取や美和の偉業は、花燃ゆ紀行の中で詳しく話されるのですが、こういう重要な話こそ本編の中でしっかりと描いて欲しかったと思います。近年の大河ドラマではない、亡くなる間際シーンがないのは、老いた姿を見せることがないので比較的楽なのですが、彼らが晩年どのようにして過ごし、日本にどのような影響を及ぼしたのか、そのあたりに見せ場がないならまだしも、ちょっと調べただけでも数多く登場します。

こうして物語は終わってしまったのですが、最近大河ドラマはフィクションであり、歴史をそのまま描写しているものではないことから、楽しめる要素を数多く盛り込み、視聴者もそれを分かった上で楽しむことが望ましいと思うようになりました。

その中で、花燃ゆは前半は吉田松陰の生き様を、そして後半は楫取素彦の生き様を文(美和)という人物を通して見ていくことができました。しかし一方で幕末から明治という激動の時代は、見るものとしてはやはり命を削って生き抜く姿をダイナミックに表現して欲しかったと思います。

ホームドラマとしては良いのですが、そういったスケールの大きさがもう少しあれば、物語全体に厚みが増したのではないかと思います。

一年間、ありがとうございました。また来年も引き続き真田丸を楽しみにしたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
山口県防府市

花燃ゆ 第40回「二人の母」

2015年10月 04日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

前回の最後にやって来た久坂の忘れ形見である秀次郎が杉家にやって来ます。辰路としては有能な久坂の跡取りを自分のようなものが育てるよりも、美和のもとで育てた方が偉くなれると思ってのことで、泣く泣く手放したのでした。子供としては完全に捨てられたのだと思うのは当然のことで、心に深い傷を残しながらも、徐々に杉家での生活に馴染んでいきます。

そんななか、夜中に自分ではない本当の母親を寝言で呼んでしまう秀次郎を見た美和は、様子をこそっと見に来た辰路に秀次郎を返すことにするのでした。この辺りの流れが全く理解できず、物語のなかでは秀次郎のことを思って一生懸命に母親になるという決意を述べていた矢先に、「本当の母親のもとで育てた方が幸せだ」と反転してしまう展開に、きっと多くの視聴者がついて行けなかったのではないでしょうか。秀次郎としてもこれから母上とともに勉学に励みたいと思っていた状況の中で、放り出されるのですから、つらい思いをしたことでしょう。

この物語のなかで、この秀次郎という人物との関わりをどのように描きたいのか、作り手の意図が分かりづらいような気がします。この先、もしも秀次郎が再び登場し、久坂家を再興しこの時の出来事を重要なポイントだったと回想するのなら、きっとこの場面でよかったと思えるのかもしれませんが。

次回からはとうとう群馬に向かうことになりそうで、新しい状況になりそうなので楽しみにしたいと思います。
◆花燃ゆ紀行◆
東京都千代田区/港区/中央区
 - 皇居
 - 旧新橋停車場
 - 銀座

花燃ゆ 第39回「新しい日本人」

2015年9月 27日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

開始早々、敬親の病状がよくない状況が描かれ美和や楫取に遺言のようなものを残し、この世を去って行きます。これによって、今まで頻繁に耳にしていた「そうせえ」という良くも悪くも相手を信じる姿勢をもう見ることができなくなってしまうのですが、何とも残念でなりません。敬親の死後は、さらに改革が進められ廃藩置県により長州という藩もなくなってしまいます。

これによってこれまで美和がお世話になっていた奥御殿もなくなることが決まるのですが、その責任者である銀姫は初めからルンルンモードで、自分が生まれ育った東京へ戻ることができるのが嬉しかったのでしょう。この後に美和達を含め奥女中に解散する旨の通知を行い、美和とも涙の別れを言うのですが、その前段階での言動を見ているので感動する状況でもなく冷静に「あー、これで会うこともないのね」といった感じて見つめてしまう自分がいました。

そうして、杉家に戻ってきた美和ですが、同じくして隠居の身となった楫取のもとにやってくると、畑仕事に精を出している姿を発見。しかし旧奇兵隊メンバーの村人を中心に信頼が全くない楫取は心を痛めます。自分を責め続けている姿に見かねて美和は元気づけるのですが、この辺りで完全に姉よりも仲良くなっている雰囲気を出しまくっているのが気になるところ。そんな心の痛みは、周囲の人々の振る舞いによって楫取の本心が村人に通じることになり、和らいでいきます。元奇兵隊の中原も楫取に対する恨みが約10分で尊敬になってしまうのですから、視聴者としても追いつくのに大変でした。

こうして徐々に元気を取り戻していく楫取に対して、妻の寿は手のしびれを訴え始め、フラグがたち始めます。そこに久坂の忘れ形見も登場し、複雑さを増していく人間関係ですが、もっとシンプルに気持ちよく進む展開があるといいなと思っています。後数回するとそんな時も来ると思うので、今はドロドロの人間関係を見て行きたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
山口県長門市
 - 楫取素彦旧宅跡