あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように


あしたまにあーな > 長谷川博己


八重の桜 第30回「再起への道」

2013年7月 28日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

前回までの重苦しい世界は、初めから完全に過去のものとなり、何事もなかったかのような平穏な行商生活が描かれていて、はじめは随分と違和感を覚えます。ようやくその状況に慣れてきた頃に見えたものは会津への差別というか見下した目線でした。反物を売りに出かけてみるも、その先で会津だということでお情けで反物を買ってもらったり、者を恵んでもらえたりとプライドが傷つけられる場面に遭遇します。

それでも、何とか耐えていた八重ですが、会津のことを侮辱するような発言をされると目の色が変わり再び人をあやめてしまいそうになります。この辺りは非常に危険な性格になってしまったのだなと感じます。通常であればこのような行動を起こしてしまった人に対しては、何らかの処分が下されてしかるべきです。自分の愛する会津のことを悪くいうのは辛いことですが、それと暴行とは完全に別物。八重が警察等に捕まらなくて良かったと改めて思います。

そんな八重たちが静かな戦いをしている頃、旧会津藩士たちは萱野権兵衛が斬首され、謹慎所に連行されたものは斗南藩として再興を夢見て移り住みます。その筆頭の大参事となったのが大蔵でした。彼は藩士を盛り上げて斗南美藩へ向かい最中、八重のもとを訪れます。その言動からは未だに八重のことを想っている状況がよくわかり、ともに斗南藩へ向かうことができないということが分かったあとに、尚之助の状況をようやく伝えます。

静かな戦いとしてもう一つ特筆すべきは頼母でしょう。越後に向かったはずの頼母はいつの間にか箱館で榎本武揚とともに戦っていました。この辺りは自分が見落としていただけなのかもしれませんが、物語で紹介された記憶が全くない状況で、混乱してしまいました。その最中本来であれば妻の辞世の句を見つめるという感動すべき部分でも、見ている方としては気分がのりません。ちょっと飛ばし過ぎだったような気がします。

さて、そんな平穏な世界にもちょっとずつ変化が生じるのが次回からでしょう。完全に戦争のことは終わりを告げ、どのように八重たちが生きていくのかに焦点は絞られてきました。あと残すところも20話ですし、新島襄も登場してきたことだし、ラストに向けたスパートを見せて欲しいものです。

◆八重の桜紀行◆
山形県米沢市
 - 上杉神社

八重の桜 第29回「鶴ヶ城開城」

2013年7月 21日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

人生というものは本当に紙一重の世界であるということを痛感させられます。補給路を奪還するために決死の思いで出陣していった権八さんは、無事に米俵をGETした帰りに銃弾に倒れます。しかし、その数日後には降伏という形で多くの藩士が命をつなぐことになるのです。歴史にタラレバは無用ですが、ここでもっと早く降伏を受け入れていたら、頼母の進言の場面で決断できていたら権八の命は救われたのです。

しかし、容保の決断はほんの少しだけ遅くなり、ついに降伏ということに。最後の命令である「生きよ」という言葉に家臣だけでなく自分もほんの少しだけうるっときてしまいます。自分が会津藩の最後といういうことに責任を感じる容保に対して、突然進言したのが八重でした。この場がどのようなメンツが集められたところなのか謎ではありますが、この集まりの中に八重がいたのがどうしてもわかりません。最後は八重の戦状況が認められ、男達に混じってこういった集まりにも呼ばれるようになったのでしょうか。

八重は、会津は逆賊ではない、何にも悪いことはしていない、というこれまでの持論を展開した上で、殿様も生きて欲しいと願い出ます。これに家臣も呼応し、雰囲気は一気にまとまった感じに移っていきます。この辺りが本当に歴史と一致するのか、それとも演出の一部なのかはわかりませんが、見ている側に演出なんだろうなと思わせてしまっているように感じます。たしかにこの場面は最も盛り上がるところではあるのですが。

籠城もむなしく、秋月の降伏嘆願が受け入れられ長い戦いに幕が下ろされることになります。猪苗代の謹慎所に向かう中にいた八重を女であることを進言するという形で引き留めた尚之助。おそらくこの真意を八重が理解するのはもっと後のことなのでしょう。猪苗代に行っていたとしても、命はきっと助かるでしょうが全く別の道になっていたことでしょう。結果的に良かったのかどうかは分かりませんが、この時点で生死が分からない以上、尚之助の判断は正しいといえます。この2人のシーンはきっとこれで最後となるかもしれません。

次回からは、次の幕が始まることでしょう。戦争後の会津の人々、そして新政府の人々がどのように交錯しながら、物語が進んでいくのか楽しみにしたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
福島県会津若松市
 - 鶴ヶ城

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八重の桜 第28回「自慢の娘」

2013年7月 15日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

今回は、次回からの大きな流れの前のほんの少しの隙間といった雰囲気のなか、物語は八重の決死の戦いと頼母との悲しい別れ、そして佐川官兵衛が中心になります。頼母については、容保が会津にやってきた頃から「自分は殿が間違えていると思ったときは一身にそれを止める」と言っていたように、恭順の道を進言します。

しかし、その前に陣頭指揮をとった戦で敗北し敗軍の将となってしまった頼母に対して、家老たちは「弱腰」といって聞く耳を持ちません。果たして容保も同じように思ったのかどうかは分かりませんが、少なくとも命を下した後、頼母に対して「生きろ」と強く念じたのを見ると、家老達の思いとは少し違った感情を持っていたのかもしれません。夕暮れ時に頼母は、八重たちの制止も空しく去っていきます。

話はもとに戻り、鶴ヶ城ですがこちらは籠城の要である補給路を完全に抑えられていて、もはや時間の問題といった感じ。それでも、女性を中心に最後まで諦めないという強い意志と明るさでみんなで協力して乗りきっている状況でした。この辺りは本当に見ていてつらい状況でした。結末はおそらくみんな分かっているのに、それを出さずに、懸命に生きる姿を感じました。

その中で、八重は危険な不発弾処理をしているところを容保に垣間見られ、そのまま謁見することに。もっと重大な謁見になるのではないかと思っていたのですが、かなりあっさりと修了して拍子抜けしてしまうくらいでした。八重としてももっと容保に話したいことがあったのだと思いますが、周囲の家老から止められ消化不良の状況になってしまいます。見ている自分もそんな気分になってしまいます。

大蔵の妻である登勢が八重から教わった危ない不発弾処理を実践し命を落とすと、戦況がますますやばくなりつつあり、最後の手段として登場するのが佐川官兵衛でした。中村獅童の演技力はものすごいものがあり、周囲の役者を完全に蹴落とすくらいの存在感と迫力を持って、容保から戦地に赴くように命を受けるというシーンも綾野剛が薄くなってしまうほどでした。

しかも、官兵衛のワンシーンが長い長い。きっと見ている人は誰も感じたのではないでしょうか。官兵衛という人物がこれまでの誰よりも重要視されているかのような雰囲気で、中村獅童がまたその雰囲気を増幅しています。散々存在感を見せつけておいて、次の日は寝坊して背水の陣になってしまうというのは、なんだか切ない話です。

いよいよ、次回はある重大なひとつの結末を迎えます。会津の人々の心がどうなっていくのか不安でもあり期待もしながら選挙開放速報の前に楽しみたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
福島県会津若松市
 - 長命寺

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