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ガンの起源とは

2013年5月 19日 By: rainbow Category: ヘルスケア No Comments →

大河ドラマが終わるといつも楽しみなのがNHKスペシャル。ドキュメンタリー番組としては非常に洗練されていて良く作られた番組なのですが、あまりにも現実を考えさせられるような重いテーマの時は、敬遠してしまいがちになってしまいます。

そんなNHKスペシャルの今回のテーマは「病の起源」で、その第1回にあたります。今回取り上げられた病は「ガン」。日本人の2人に1人がなるとされているこの病に、我々は特別な思いを持つのではないでしょうか。その「ガン」の起源はいつからなのか、そしてそれを防ぐにはどうしたらいいのか、知りたい欲求は高まります。

そんな内容についてかいつまんで紹介したいと思います。まずガンはいつからあったものなのか、それは単細胞生物から多細胞生物に進化した5億年前ほどにさかのぼります。細胞のコピーに失敗したものから、がん細胞が生まれ、それが分裂を繰り返すことによって増殖を繰り返す、これがガン細胞なのです。

つまり多細胞生物については、一定の割合でガン細胞ができる可能性を秘めているのですが、ニンゲンと99%遺伝子が同じと言われるチンパンジーがガンになる割合は2%。日本人が30%もあるのと対称的です。つまりチンパンジーからニンゲンに進化するまでの1%の違いが、ガンになりやすい種別にさせる要因があったのです。

それは、大きく3つの要因から成り立ちます。

1.生殖行為
 ニンゲンは、チンパンジーと異なる進化の途中で、常に精子を作り出す必然性に迫られます。精子を作り出す細胞は速く増殖を繰り返すのですが、これをガン細胞は巧みに利用し、自らの細胞を急速に増殖させることに成功しました。

2.FAS
FASとは酵素(脂肪酸)のことで、ニンゲンの脳を大きくし神経をつなぎ合わせるために必要なものです。これをガン細胞は利用し、増殖を行うようになります。FASはガン増殖には欠かすことの出来ない物質なのです。

3.紫外線
ニンゲンは、太陽光がよくあたり、紫外線が浴びるアフリカから緯度の高いところ、そして世界中に移動を行うようになります。紫外線はガン細胞の増殖を抑制する働きがあるのですが、紫外線の当たらない場所にも住むようになり、ガンになりやすくい環境になっていきました。

このように、ニンゲンの進化とともに手に入れた機能を巧みに使って、ガン細胞は自らの生存を試みてきたという経緯を見て取ることが出来ます。今の我々が、このような文化や知識等を持つことができた代償と言えるでしょう。

1は、どうしようもないのですが、2についてはFASを阻害する薬品の開発が行われており、人体への影響を最小化しつつガン細胞の増殖を抑えることができるものと期待されています。また3については、1日15分程度日光に当たることを勧めています。さらに紫外線に当たることで得られるビタミンDを摂取することによって、がん発症率を抑えることも実証実験で分かってきました。

がんになるリスクを0にすることは、人が今の進化の恩恵を享受している以上できません。その上で、少しでもリスクを抑えることが出来たとき、折り合いをつけていけるのではないでしょうか。そんなことを考えさせられた番組でした。

【参考】NHKスペシャル 病の起源 2013年5月19日放送

NHKスペシャル病の起源〈1〉睡眠時無呼吸症/骨と皮膚の病/腰痛 NHKスペシャル病の起源〈1〉睡眠時無呼吸症/骨と皮膚の病/腰痛
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NHK「病の起源」取材班

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大腸ガンのリスクを数値化

2010年12月 23日 By: rainbow Category: ヘルスケア No Comments →

病気のうち最も恐ろしいもののひとつにガンがあります。だれでも発症する危険性を持っていて、自分はこの病気を一番恐れていることもあって毎年人間ドックで細かいところまで診てもらっています。大腸については内視鏡を入れて直接診てもらうのですが、それでも診察するのは腸の一部でしかなく、全体を診る機会というものはほとんどありません。

そのためにも生活習慣を健康なものにしておく必要があるのですが、どのような観点で生活していけばいいのか、さらに自分はどのくらいのリスクがあるのかをしっかり把握しておけば、もっと効率的にガンになりにくい生活を送ることができるはずです。そんな大腸ガンを40歳から69歳までの人が発症する確率を簡単に予測することができる計算式を国立がん研究センターが開発しました。これによって、自分のリスクを定量的に把握することができます。早速その計算方法をみていきましょう。

◆手順1: 5項目に答えて点数を出す。
・あなたの年齢は?
 - 40歳から44歳: 0点
 - 45歳から49歳: 1点
 - 50歳から54歳: 3点
 - 55歳から59歳: 4点
 - 60歳から64歳: 5点
 - 65歳から69歳: 6点

・あなたのBMIは?
 - 25未満: 0点
 - 25以上: 1点

・あなたの活動量は?
 - 普通: マイナス1点
 - 寝たきり: 0点

・あなたの飲酒は?
 - ほとんど飲まない: 0点
 - 飲む: 1点
 - よく飲む: 2点

・あなたの喫煙は?
 - 吸わない: 0点
 - 吸う: 1点

◆手順2: 点数を合計します

◆手順3:合計点数から発症確率を判定します
・マイナス1点: 0.2%
・0点:      0.3%
・1点:      0.5%
・2点:      0.7%
・3点:      0.9%
・4点:      1.3%
・5点:      1.8%
・6点:      2.4%
・7点:      3.3%
・8点:      4.6%
・9点:      5.9%
・10点:     7.4%

この確率はあくまで参考値として見てほしいとセンターの人は話をしていますが、年齢だけはどうしようもないとしても生活習慣を変えるだけで発症確率は変わることが分かると思います。肥満になりすぎず、飲酒喫煙もほどほどにすることが万病を防ぐ最も近道なのです。

このような発症確率が分かる計算式が他のガンだけでなく、様々な病気に対しても登場して欲しいと思います。それによって自分が気になる病気を予防することが誰にでもできるようになるのですから。

【参考】
・日本経済新聞 2010/12/22
・国立がん研究センター http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2118.html

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