これまでの大河ドラマはその時代背景に必ず戦というものが見え隠れしており、勝負の結果で主人公の人生も大きく変わっていくといったケースが非常に多かったのですが、今回を見てみるとそういった流れからは少し離れた雰囲気を醸し出していたように感じます。
初めの方は、八重が新しいモノにどんどん触れていく様子が描かれておりベーコンエッグから始まりベッドや襄のことをジョーと言ったりして「良いものは良い」を実践していきます。全然関係ないのですが、新島襄をオダギリジョーがやっていて、リアルの世界でも「ジョー」であることに今気がつきました。これって、偶然、ではないですよね。会津の頃に教え込まれた「ならぬものはならぬ」の逆をいく、何でも受け入れようとする考えは明治という時代そのもののニーズであり、人々が望む方向と世の中の方向が一致するステキな時代であったのだと思います。
その中で今回のメインとなるのが熊本バンドの皆様。熊本でキリスト教の迫害にあった人々が同志社英学校に逃れてくるわけですが、彼らは今までの安定した状況を覆すような問題行動を起こすという話でした。しかし、よくよく考えて見ると、熊本バンドの皆様の不安はごもっとも。学校に対して求めるものの違いはあってしかるべきです。しかも新しい考え方の学生がやってくることで学校全体の多様性も増し、より強固な地盤を築くことができるのではないかと思います。なので、熊本バンドはこれからの同志社をどのように変えていってくれるのか楽しみです。今回登場した人物が今後どのような業績を残したか、人物を全て調べてみましたが一様に素晴らしい業績を残した人々になっています。
そして、その裏で最後の戦として登場する士族達。廃刀令でとうとう武士の命である刀を取り上げられ、旧会津藩士たちは山川家で不満をぶちまけます。この後、彼らは警察官を殺傷したということで官兵衛や藤田などがやって来て、関わりがなかったか調べられます。しかし、彼らもいずれは西南戦争に巻き込まれることになり、それが次回の大きなテーマとなっています。最後の内戦となったこの戦、男たちの生き様をしっかりと見届けたいと思います。
◆八重の桜紀行◆
熊本県熊本市
- 熊本洋学校教師ジェーンズ邸