あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 大森南朋


龍馬伝 第21回「故郷の友よ」

2010年5月 23日 By: rainbow Category: 2010年_龍馬伝 No Comments →

まるでそれぞれの人生の縮図を見せられたような、すごく濃密な時間でした。今回はそんな心と心のぶつかり合いを通してそれぞれの思いをすごく感じることができます。それを中心に物語を振り返ってみたいと思います。

平井収二郎が切腹させられ、もはや土佐勤王党の面々は壊滅的であり自身の身も危険な状態にまでなっていました。そのことを一番知っていたのは龍馬だったのです。彼は、これから投獄されるであろう武市や以蔵の身を案じ、自らそれを救うために土佐に戻ると言い放ったのです。

それを必死で止める勝麟太郎の言葉はすごく印象深いものになりました。長次郎も言っていましたが、龍馬一人が土佐に戻っても何もできない、武市たちはすでに覚悟を決めているのです。それよりも勝の弟子としてもっと活躍する必要がある龍馬と涙の話し合いの結果、引き留めに成功します。勝の心が龍馬に届いたのです。

土佐に戻った武市は、土佐勤王党の面々にまだまだ攘夷は終わっていない、自分を信じよと声高に話をするのですが、奥さんである冨には自分を信じてついてきてくれたものを裏切るようなことはできないと苦しい胸の内を明かします。この当時の志士たちは自分が信じた道が世間の流れとうまく合致した場合には英雄として一気に駆け上がることができるのですが、一度その道から外れてしまったりした場合には、自分の命をも危ぶまれるほどの窮地に陥るのです。そんなリスクがあるにも関わらず、この当時の人たちは新しい時代を築こうとしたのでしょう。

今の世の中では、1回や2回失敗したとしても復活することもできるし、責任がある人が謝るだけですぐに次にいこうとすることもあります。この落差というか、違いはいいのか悪いのか、少し考えてしまいます。ちなみに今回のラストで、武市さんは投獄させられてしまいます。冨との最後の朝食の場面はあまりにも心が苦しくなる場面でした。

いつもは笑わせてくれるはずの岩崎弥太郎も今回は感動的な言葉を武市さんに言っています。「収二郎の件があったにも関わらず、まだ大殿様を慕っているのか。武市さんも好きに生きてみたらいい、正直に生きてみてはどうか。」この心と心のふれあいは、意外性もあって今回最も印象に残る場面となりました。

そんな弥太郎は、ようやく材木が完売し、商売の成功が始まりました。きっかけは前回の喜勢から言われた「おまけ」なのですが、気づいたのは「おまけはモノではなく人の心である」ということ。材木をどのように相手が利用するかを考え、それをサービスとして提供すること、困っていることを解決してあげることが商売の秘密だったのです。今もすごく使える教訓ではないでしょうか。

そんなそれぞれの思いを胸に、今回は龍馬伝の中でも最もすばらしい内容の1つといえるものといえるでしょう。歴史をこのように人の心を通してとらえることができたとき、もっともっと歴史が好きになっていきますね。次回、龍馬は探していた以蔵を救うことはができるのでしょうか。

◆龍馬伝紀行◆
高知県高知市
 -高知城
 -山内神社
 -山内容堂像
 -旧山内家下屋敷跡

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龍馬伝 第20回「収二郎、無念」

2010年5月 16日 By: rainbow Category: 2010年_龍馬伝 No Comments →

もはや、土佐勤王党の姿は見る術もないくらい崩壊してしまい、武市半平太と平井収二郎以外は他の道を歩んでいる様子です。そんな平井収二郎は投獄され吉田東洋を暗殺したのが武市の仕業であることを白状させようと激しい拷問にあいます。宮迫さん、少しかわいそうですね。さすがに実際にはたたかれたりはしなかったでしょうが、水をかけられるなど手荒な仕打ちを受け、それで最終回になってしまうのはなんとも残念です。

完全に、山内容堂の術中にはまってしまった感じがします。その容堂の不気味さを印象づける作戦は毎回これでもかというくらい激しさを増していて、今回はなんとクワガタまで登場し、そのクワガタで遊ぶシーンまで登場します。近藤正臣さんによると、このあと耳をクワガタに噛まれたそうです。文字通り体を張った演出といえるでしょう。もはや、容堂には怖いものはなさそうです。次回からは残された武市やそれ以外の自分に不都合な面々は次々と捕らえられていくことになるでしょう。

物語の中でも平井加尾が言っていましたが、どうして何の罪もない人が捕まって、切腹しなければならないのか。実はこの問題は今も抱える永遠のテーマなのかもしれません。政治やその時々の考え方によって、人を裁く考え方も変わっていきます。国家や幕府、藩を脅かす行為は、例えその人たちが正しいと考えていても、誤っていると考えられてしまうのです。しかし、それに「どうして?」と自省することも大切だと思います。

今回、この大きなテーマを始めに投げかけたのが、松平春嶽がいる越前福井藩に居合わせた熊本藩士である横井小楠の発言でした。おそらくすばらしい儒学者なのだと思いますが、今回はまるでムスカのようにみえたひともいるのではないでしょうか。人は時代が必要としなければ、無用であるくらいの勢いで話をしていて、それを止めようとしない春嶽。デモクラシーについて語るところまでは「すごいな、この人」と思っていたのですが、その後の急展開。でもなんだかんだいって、最終的に春嶽と共に1000両を勝塾のためにポンと支払い、生き金にしろという男気溢れる言葉に、この二人の懐の深さを感じます。

そして、待ちに待っていた弥太郎の時間。弥太郎の妻である喜勢は弥太郎と結婚した理由が今回あきらかになります。それは占いでした。占いでくそまみれになっている人が自分を幸せにしてくれるということを聞き、実際にあった弥太郎に一目惚れしたそうです。実際に三菱財閥の創始者になるのですから、その占い師は大当たりだといえるでしょう。どんな理由なんだろうとずっと不思議に思っていたのですが、今回それがわかって落ち着いた反面、「なんじゃ、そりゃー」という気持ちが同居してしまい、しばらく複雑な気持ちです。

材木を売るために、借金をした坂本家に売りに来るというあり得ないことをしでかしますが、1つのヒントを喜勢からもらいます。それは「おまけ」をつけるということ。これによって、きっとどんどん売れるような気がします。次回からの復活劇に注目したいと思います。

◆龍馬伝紀行◆
福井県福井市
 - 福井城址
 - 瑞源寺
 - 松平春嶽像
 - 養浩館庭園

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龍馬伝 第19回「攘夷決行」

2010年5月 09日 By: rainbow Category: 2010年_龍馬伝 No Comments →

なにか今回は見ていて痛々しい気持ちにさせられます。すでに龍馬たちと武市たち土佐勤王党を見たときに、時代の流れがどちらに向いているかは歴然としてきていて、武市たちの今後の動向について気になっていたのですが、今回から明確に武市や平井収二郎、以蔵たちの処遇が厳しくなっていくのが分かります。

山内容堂に弾圧されたと物語中では話がありましたが、武市のセリフにも少し納得してしまう自分がいました。それは「侍が殿様を疑っては、すでに侍ではない」ということ。武士として自分たちのトップである殿様の命令は絶対です。その言葉を疑ってはいけないというのは、その通りでありいくら日本が開国に向けて走り始めているからといって、その精神は変わることがないでしょう。それを考えると武市半平太という男の無念を感じずにいられません。

幕府が約束した5月10日に実際に攘夷活動を行なったのは、攘夷運動の旗頭である長州藩だけでした。事前に幕府が根回しを行なって、その他の藩に対して攘夷活動を行なわないように依頼した結果でしたが、その根回しに勝麟太郎は釈然としません。現在のビジネスシーンであれば、事前に関係者と調整をしてスムーズにすすめる事は当たり前なので、あまり違和感はなかったのですが勝には姑息な真似に映ったのでしょう。

今回の最大の山場はなんと言っても武市半平太を龍馬が引き留める場面でしょう。捕らえられた収二郎を救うために土佐に帰るという武市を、龍馬は武市も捕まってしまうと必死で引き留めます。今までの二人の関係をずっと見てきた自分としては、何とも心が締め付けられるシーンとなりました。色々説得するのですがすべて裏目に出てしまい結果として失敗することになります。それでも武市は龍馬のことを一度も嫌ったことがない親友であり幼なじみであること、すごく感謝していることを素直に語ります。その上で、自分が収二郎を助けて戻ってこれたら海軍に参加するといい、達者でなと言い残して去っていきます。おそらくこれが彼らの最後となったのでしょう。

初回から武市と収二郎、龍馬という仲間を中心に人間模様が描かれてきた龍馬伝も、武市と収二郎が去ることによって、新たな人間関係と物語が始まります。その中には忘れてはいけない弥太郎もいるはずなのですが、今回も登場無し。せめて弥次郎だけでも出して欲しかったのですが、全く物語と関係ないので仕方ないですね。

◆龍馬伝紀行◆
山口県下関市
 ?壇ノ浦砲台跡
 ?亀山砲台跡

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