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龍馬伝 第19回「攘夷決行」

2010/05/09 Category: 2010年_龍馬伝

なにか今回は見ていて痛々しい気持ちにさせられます。すでに龍馬たちと武市たち土佐勤王党を見たときに、時代の流れがどちらに向いているかは歴然としてきていて、武市たちの今後の動向について気になっていたのですが、今回から明確に武市や平井収二郎、以蔵たちの処遇が厳しくなっていくのが分かります。

山内容堂に弾圧されたと物語中では話がありましたが、武市のセリフにも少し納得してしまう自分がいました。それは「侍が殿様を疑っては、すでに侍ではない」ということ。武士として自分たちのトップである殿様の命令は絶対です。その言葉を疑ってはいけないというのは、その通りでありいくら日本が開国に向けて走り始めているからといって、その精神は変わることがないでしょう。それを考えると武市半平太という男の無念を感じずにいられません。

幕府が約束した5月10日に実際に攘夷活動を行なったのは、攘夷運動の旗頭である長州藩だけでした。事前に幕府が根回しを行なって、その他の藩に対して攘夷活動を行なわないように依頼した結果でしたが、その根回しに勝麟太郎は釈然としません。現在のビジネスシーンであれば、事前に関係者と調整をしてスムーズにすすめる事は当たり前なので、あまり違和感はなかったのですが勝には姑息な真似に映ったのでしょう。

今回の最大の山場はなんと言っても武市半平太を龍馬が引き留める場面でしょう。捕らえられた収二郎を救うために土佐に帰るという武市を、龍馬は武市も捕まってしまうと必死で引き留めます。今までの二人の関係をずっと見てきた自分としては、何とも心が締め付けられるシーンとなりました。色々説得するのですがすべて裏目に出てしまい結果として失敗することになります。それでも武市は龍馬のことを一度も嫌ったことがない親友であり幼なじみであること、すごく感謝していることを素直に語ります。その上で、自分が収二郎を助けて戻ってこれたら海軍に参加するといい、達者でなと言い残して去っていきます。おそらくこれが彼らの最後となったのでしょう。

初回から武市と収二郎、龍馬という仲間を中心に人間模様が描かれてきた龍馬伝も、武市と収二郎が去ることによって、新たな人間関係と物語が始まります。その中には忘れてはいけない弥太郎もいるはずなのですが、今回も登場無し。せめて弥次郎だけでも出して欲しかったのですが、全く物語と関係ないので仕方ないですね。

◆龍馬伝紀行◆
山口県下関市
 ?壇ノ浦砲台跡
 ?亀山砲台跡

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