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発電する街、六本木ヒルズ

2011年4月 23日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

お金持ちの起業や実業家が多く入っているビルといえば、ほとんどの人が六本木ヒルズを思い浮かべると思います。「ヒルズ族」なる言葉まで存在し、その街に住むこと自体がひとつのステータスになっています。

その六本木ヒルズが今、別な形で注目を浴びています。それはこのビルが停電しないばかりか、発電し一般に売り出しているというのです。計画停電など電力不足が深刻化している今、六本木ヒルズは電気を浪費するのではなく、都市ガスを利用して発電するひとつのエネルギープラントになっています。

管理している森ビルによると、ガスを燃やしてタービンを動かしそれによって発電をしているといいます。さらにすごいのは、その時に出たものを捨ててしまうのではなくさらに再利用しているということ。例えば、発生した熱い蒸気は館内のエアコンのエネルギーとして利用しています。このように都市ガスを利用して発電と排熱エネルギーを効率的に再利用する「大規模ガスコージェネレーション」を実現しているのが六本木ヒルズなのです。

これにより、60社のオフィスと220のテナント、約800戸の住宅やホテルの電力を賄い、停電に左右されることなく余った電力29000kwを東京電力に売っています。もしも都市ガスがだめになっても、東京電力からの供給と灯油による自家発電装置によって3重のバックアップをとっています。

この発想は六本木ヒルズが「安心で安全、万が一の時に逃げ込める街」をコンセプトに作られたことに起因しているといいます。大きな街のど真ん中にいざというときに安心できる建物があることは、周囲で働く人々、住む人々にとって大きな心の支えになると思います。

建物は、利便性だけを追求する時代から安全や安心といった目に見えないものをカバーしなければならない時代に変わりつつあります。地震に強い建物は多く存在しますが、地震に耐えた後もそこに住み続けなければなりません。その時に建物のなかで必要最低限のライフラインが確実に確保されているということ、それこそがこれからもっともっと求められていく要件になるのではないかと思います。そのことを六本木ヒルズは自分たちに伝えているのではないでしょうか。

【参考】メトロミニッツ VOL.102 MAY.2011

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森ビル社長 森 稔

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正確に水を分ける先人の知恵

2011年4月 11日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →


現在水の存在価値が改めて大きくなっていますが、水は昔から人々に恩恵を与えるものであるゆえに様々な争いが絶えませんでした。海外では今でも水を自分の畑に入れるためにお金を払い、きちんと水が来てくれるか不安を感じているところもあります。水の配分は予め決められた分量を確実に行なう必要があることから極めて公共性の高いものだったのです。

そんな水を分ける分水管理のひとつの方法として採用された方法が、今も川崎・二ヶ領用水の久地分量樋に残っています。その方法とは、円筒分水というもので正確な自然分水を目的として昭和16年に作られました。その仕組みはすごくシンプルです。円筒の中心から湧き出させた水は円の縁の方向に流れていきます。

そこに配分量にあわせた敷居を作って、水を分けるのです。当然大きな配分を約束されたところは円弧の長さが大きくなり、少ない量しか割り当てられていないところは円弧の長さが短くなります。

円筒分水の技術は、当時最も理想的で正確な自然分水方式の1つだといわれていたので、近年に至るまで各地で造られているといいます。今でも関東地方を中心に全国約30箇所の農業用水に存在しているそうです。自分が住む神奈川県の水瓶である相模湖や津久井湖から流れる水も円筒分水を利用した下九沢分水池にて川崎と横浜に分けられていっているということを知りました。

このように、水を管理する技術は分けるという1つをとっても考え抜かれた素晴らしい技術をもって行なわれているのです。まだまだ水を取り巻く技術はたくさんありそうです。

【参考】
・二ヶ領せせらぎ館
・円筒分水ドット・コム http://entoubunsui.com/

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ベクレルとシーベルトの違いを把握しよう

2011年3月 24日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

毎日メディアでは放射性物質が様々なところから検出されたといって、市民の不安はどんどん広がりつつあります。政府やメディアでは「直ちに健康被害が生じるものではない」という表現を使い、安全性を示していますが中長期的にどうなのかといった不安と、そもそも今まで馴染みのなかった放射性物質の単位が登場し、よく分からないという不安から買い占めや買い控えとった消費行動につながってしまうのです。

そこで、今回は最近頻繁に登場する様々な放射性物質の単位について、その関連性を学んでみたいと思います。そのとき登場する単位が、ベクレル、シーベルト、グレイの大きく3つではないでしょうか。例えば、とある浄水場で1リットル当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたといったニュースが報道されます。一方で、100ミリシーベルト以上の放射線を浴びると健康被害が出る可能性があるともいわれています。

◆放射性物質の単位
このように、シーベルト、ベクレル、グレイは様々なところで登場しています。それぞれの定義について見ていきましょう。

・ベクレル: 放射性物質が放射線を出す能力を表す単位
・シーベルト: 放射線による人体への影響度合いを表す単位
・グレイ: 放射線が物質にあたったとき、その物質に吸収された放射線量を表す単位

緊急時には、シーベルトとグレイは同じと見てよいとされていることから、ここでは主にベクレルとシーベルトについて見ていきましょう。ベクレルの値が大きくて放射線を出す能力が高くても、その物質によって放射線自体の強さが違うので単純に比較はできません。この2つを結びつけるための換算が必要となるのです。

◆放射性物質の種類
新聞やテレビで報道されている放射性物質とは、主に以下の3つを指します。
・ヨウ素131(I-131)
・セシウム134(Cs-134)
・セシウム137(Cs-137)

これらの物質が食べ物に付着しているものを摂取する経口摂取と、呼吸とともに体内に取り込む吸入摂取では換算のための係数が違います。

<シーベルトとベクレルを換算するための係数>
I-131
・経口摂取 2.2×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)
・吸入摂取 7.4×10-9(10のマイナス9乗)(Sv/Bq)

Cs-134
・経口摂取 1.9×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)
・吸入摂取 2.0×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)

Cs-137
・経口摂取 1.3×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)
・吸入摂取 3.9×10-8(10のマイナス8乗)(Sv/Bq)

◆換算してみる
それでは実際に換算してみましょう。例えば上の例でいうと「とある浄水場で1リットル当たり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出された」場合、210Bq/Lと表現します。ここで水は経口摂取となるので、上の係数から2.2×10-8(Sv/Bq)を利用します。

210 Bq/L × 2.2×10-8 Sv/Bq = 0.00000462 Sv/L

つまり、1リットルあたり0.00000462シーベルトとなります。これでは小さすぎてよく分からないので、ミリやマイクロといった単位を使います。

0.00000462 Sv/L = 0.00462 mSv/L = 4.62 μSv/L

つまり、浄水場の水から検出された放射性物質は1リットルあたり4.62マイクロシーベルトということになります。これはあくまで概算でありすべてが体内に取り込まれるのではなくこれよりも実際は小さくなるといわれていますが、目安にはなるでしょう。

◆どのくらいの放射線を浴びるとまずいか
放射線は宇宙から降り注ぐなど自然界にも存在します。またCTスキャンをする際にも浴びることになります。ここではそのレベルについて見ていきます。

・人が普通に暮らして浴びる量: 年間約1000マイクロシーベルト
・自然界に普通にある放射線の量: 年間約2400マイクロシーベルト
・胸部CTスキャン1回: 6900マイクロシーベルト
・健康に影響が出る可能性が高まる量: 100000マイクロシーベルト

仮に、毎日1時間当たり0.1マイクロシーベルトの環境放射線量下で過ごすと、

0.1 μSv × 24時間 ×365日 = 876マイクロシーベルト

となり、1リットル当たり210ベクレルの放射性ヨウ素を含む水を毎日1リットル飲むと、

4.62 μSv × 1リットル × 365日 = 226.3マイクロシーベルト

となります。さらに水以外の食べ物に放射性物質が付着していてそれを摂取するとすると、さらに加算することになります。値は検出されたものによって大きく変動しますし、ずっと同じ値ではないこと、個人差や年齢差、必ず問題がないとは言えない不確定要素はありますが、ここからいえるのは、かなりの量を摂取しない限り上で示されている健康に影響を与えるレベルまで行かないということがわかります。

正しい知識を身につけ、自分で換算したりすることができればその程度はおのずと自分で判断することができるはずです。わからない、目に見えないというのは最大の不安要素です。少なくともそれを払拭することができたとき、今の状況を冷静にみることができるのではないでしょうか。

【参考】
・MEMORVA http://memorva.jp/school/safety/radiation_bq_sv.php
・原子力安全研究協会 http://www.remnet.jp/index.html
・日本分析センター http://search.kankyo-hoshano.go.jp/
・yomiDr. http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=38404

「モンゴルの悩み」から何を学ぶか

2011年1月 25日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

2011年1月24日の日本経済新聞夕刊に掲載されている伊藤忠商事会長 小林栄三さんのコラムでは、モンゴルが今抱えている問題について触れています。

それは、モンゴルの大気汚染についてです。モンゴルの首都ウランバートルへの人口集中は東京の比ではなく、モンゴル全体の人口273万人に対してウランバートルの人口が111万人と約41%にも及びます。他の都市の人口が8万人以下であることからもいかに人口が首都に集中しているかが分かると思います。

そのモンゴルでは、遊牧生活をしてきた人がそのままウランバートルでもテント生活を送ることから、極寒の冬には燃やした大量の石炭などでむせてしまい気管支炎になる人も増加しているとのこと。日本はもっともっと協力の手をさしのべるべきだと小林会長は締めくくっています。

この記事から、自分たち日本人は何を学ぶことができるでしょうか。かつての日本では高度経済成長の時代、公害問題が各地で起こりました。同様に産業革命期のイギリスでも、近年の中国でも同様の問題が起こっています。国が冨を求め人々が生きていくために豊かさを貪欲に求める時、環境問題は二の次の問題となります。周囲がそれを非難したとしても、生きようとする欲求は術にも勝るのです。

この時、すでに豊かさを得ている国がこういった国に対して半ば強制的に抑えようとすれば、反発だけを与得てしまうことになるのです。

では、このモンゴルの問題から自分たちはどういったアプローチをすることができるのでしょうか。ひとつの考え方として、双方にメリットがあればいいというものがあります。大気汚染をするようなものを抑えることがビジネスになり、それは同時に途上国にとっても収入減や節約になるのだとしたら双方が目的に向かって努力するでしょう。

例えば、先進国が環境に配慮したものや技術を提供し、それを途上国が利用することによって、今までよりも電気代や燃料代を節約することができるということが考えられます。移住した人用の住居を作り、そこに住まわせることによって都市開発も進みますし、環境負荷を抑えることもできます。そういった環境ビジネスが途上国自身の雇用につながれば、まさに一石二鳥でしょう。

すぐにゴールに向かうことはできないかもしれませんが、一方に負担が及ぶような制度や考えは、いずれ破綻を来たし環境へのモチベーション低下にもつながります。今こそ世界的な規模で、win-winになれる技術の相互協力が求められるのではないかと思います。

【参考】日本経済新聞 2011/01/24

COP10にみる生物多様性の思い

2010年12月 29日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

現在地球上には、科学的に明らかになっている生物が約175万種、未知のものを含めると約3000万種もの生物が存在するといわれています。それら多様な生物は、これまでの進化の過程で環境になじむために自らに「機能」を持たせてきました。

その機能は、生物が自らを守るために身につけたものなのですが、それを人間は薬という形で利用するようになります。始めは原住民から、そしてそれに目をつけた先進国の製薬会社へと利用者が広がっていきます。利用者が広がっていけば、その生物を多く捕っていかねばなりません。

機能を持った生物の多くは、発展途上国に存在しています。彼らは、生物にどのような機能があるのかということよりも、今その生物が高値で売れるという直近の暮らしを考え、より多く採取しようと考えるようになりました。その結果として、一部の生物は絶滅が危惧されるまでに激減してしまう結果をもたらします。

そういった多様な生物の生態系を守り、機能を自分たちが将来にわたって、みんなが納得する形で利用し続けるにはどうしたらいいのかを話し合う国際会議がCOP10であり、2010年に名古屋国際会議場で日本が議長国として行なわれました。

その場で主に議論となったのは、先進国が主に発展途上国から採取している生物資源の利益配分に関する国際的な枠組みを作ることにあります。この問題は国の利益に直結する問題なので利害が対立しやすくとりまとめることは困難であると言われてきて、実際にそうなりました。環境問題であることは認識しつつも、自分たちが損になるようなことはできるだけ避けたいという相反する思いを結びつける必要が議長国である日本にはあったのです。

議論するうちに、この生物を薬品に使う際の資源国と利用国の利益配分に関して、以下のように様々な課題があることが浮き彫りになります。

(課題1)主な原産国以外から発見した生物から薬品が作られた等の国境をまたぐ場合に、原産国と発見した国のどちらが資源国となるのか。

(課題2)生物から採取した物質を人間が化学合成した場合には、資源国にどう配分するのか。

(課題3)条約が締結される以前にさかのぼって資源国から採取された生物を利用国が利益配分するべきか

どれも非常に重い問題であり、実際アメリカなどはこれらに独自の考えを持っているため条約に批准はしていません。非常に判断が難しい枠組み作りであり先進国と発展途上国の間の議論は平行線のまま閉幕期限に近づいていってしまいます。

このままだと議長国としての威信に関わる日本は、ここから素晴らしい仕事をすることになります。関係国が示した譲歩案をとりまとめ、見事に議長案を採択することに成功します。

その内容は、資源国の間で基金を設立し利用国はそこに生物資源やその知識を利用して得た利益を配分します。それを資源国の間で分配するのです。またさかのぼって利益を配分するかの決定と化学合成物質への適用は今回見送りとなり今後の継続審議となりました。

今回の採択は、利益をきちんと配分し資源国がその資金を利用して生物保護に取り組み、そして利用国はルールに則って薬品を利用できるという枠組みを作れたことに大きな意義があります。利害が交錯する中、世界の人々が同じ問題意識をもち、それを解決しようと努力した結晶なのです。その中で日本が議長国として果たした役割は本当に大きく、日本人として誇りに思います。

こうしてできた名古屋議定書は、まだ始まりに過ぎないことは誰もが思っていること。まずはしっかりと批准した国々でルールを適用し生物資源が守られているという実績を作らないと、これから先につながってはいきません。そういう意味で資金を提供する利用国も、その資金を利用する資源国も成果が求められるのです。

いのちのつながり よく分かる生物多様性いのちのつながり よく分かる生物多様性
(2009/04/25)
香坂 玲

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