篤姫 第28回「ふたつの遺言」
井伊直弼が大老に就いて、将軍を慶福と決定し、次々と今まで慶喜を推していた人々に対して厳罰に処していきます。そのことがいずれ彼の身を滅ぼすことになるとはこのとき思いもしなかったんでしょうね。
人に対しては常に誠実であるように振る舞うことがいずれ自分の身を助けることになることになることが分かっていないことが、斉彬のような名君と呼ばれるかどうかの境界線なんですよね。
その井伊の政治に対しては、かなりさっくりと描かれていますが、いずれ日本にとって大問題となる日米修好通商条約を結ぶことになるのです。しかも今年はその条約締結から150年という記念すべき年なんですよね。彦根藩出身と言うことで「ひこにゃん」も喜んでいるのかもしれませんね。
そして、今回のメインは二人の死でしょう。まずは、斉彬。西洋式軍隊という革新的な活動を行っていて、確実に彼が長生きしていたら違った日本が待っていたと思います。歴史にもしもはありませんが、すごく貴重な人を亡くしたなぁと改めて感じます。
その悲しみを篤姫が感じていたその時に、家定の死も訪れます。このあまりにも重なった演出はなんなんだろうということで、実際はどのくらいのタイムラグがあったんだろうと調べてみると、
家定:1858年8月14日(旧暦7月6日)
斉彬:1858年8月24日(旧暦7月16日)
ということで1週間くらいしか離れていなかったんですね。それにして今回のキーポイントであるだけにこの二人の最期は分けてもよかったかなと思います。(Wikipedia調べ)
斉彬の死による悲しみの場面はそんなに描かれることなく、なんか中途半端で終わってしまったような気がするんですよね。そんななかでも、斉彬からの手紙が中盤戦最大の涙を誘うポイントだったんじゃないでしょうか。最期まで日本のことを深く洞察していた斉彬をうかがい知ることができます。
「この先、薩摩とお主は敵味方になるかもしれない。そんなときでもおのれの信じる道を行け」
その信念に従って、篤姫は天璋院としてどのように名を残すしていくんんでしょうか。楽しみです。