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消せない告白/おいしいコーヒーのいれ方

2009年7月 31日 By: rainbow Category: ブックレビュー No Comments →

村山由佳さん作の人気シリーズ「おいしいコーヒーの入れ方」もSecond Seasonになってはやくも3作目になりました。その作品は「消せない告白」という題名です。今回はこの作品についてご紹介したいと思います。

このシリーズも始めに書籍として登場したのが1994年ですから15年にもなる大作となっています。セカンドシーズンになって主人公である和泉勝利と花村かれんは苦難を乗り越えて付き合うことになるのですが、かれんは房総半島は鴨川へいくことになり離ればなれになってしまいます。そこからは、勝利の悶々とした心の模様が多く描かれていくことになります。

今回の3作目である「消せない告白」は、主に2人のつらい恋愛をしている人の心を勝利というフィルターを通してつづられています。ひとりは、勝利が暮らしているアパートの大家さんである森下家の次男である秀人。もうひとりはおなじみの星野りつ子です。

彼らには望みが薄い恋愛をしているという共通点があり、それでも諦めきれないという思いについて村山由佳さんなりの解釈がそこには示されています。世間では望みが薄い恋愛であれば、諦めなければならないとアドバイスする人が多くいますが、それは当の本人の心に届くアドバイスなのかというと決してそうではないのです。諦められないものは必ずあり、可能性が低いとしてもいずれかなうかもしれないという思いを抱いて待ち続けてしまうのだっていいのではないでしょうか。そんな苦しいテーマになっています。

これまで、勝利からみると星野りつ子は、告白されたにも関わらずどうしてやることもできず、想われることに苦痛を感じてしまう相手だったのですが、今回森下秀人という触媒を通して改めて考えてみると、大切なかけがえのない友だちであることを再認識するのです。

今回は、かれんと勝利、マスター、丈といったこれまでの人物が登場する機会は激減していて、限られた人の間で物語は進んでいきます。それがかえって、勝利の心を整理するという意味では非常に心地よく、わかりやすい展開につながっています。かれんとの関係も今後少しずつ変わっていくのかもしれませんが、かれんも勝利に言いたいことがあるようで、その部分は次回以降に持ち越しになってしまった感じで終わっています。

次回作はもう少し先のことになるとは思いますが、今まで以上に視野を広げて様々な考え方を肌で感じた勝利がどのようにかれんとの恋愛を進めていくのか楽しみです。

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(2009/05/29)
村山 由佳

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発想力を養う3つの方法

2009年5月 30日 By: rainbow Category: ブックレビュー No Comments →

新しいアイデアが様々な場面で求められています。大学などでは論文や研究の題材、企業では新製品のコンセプト、街のパン屋さんでも新しい商品の企画など数え上げればきりがないほど、ひらめきの神様が降りてくるのを皆さん待っているのではないでしょうか。

よく、著名な方の記事を読むと「リラックスした時に降りてくる」などと言っている人がいるのを見たことがある人も多いでしょう。しかしこのような方はただぼーっとそのときを待っているのではなく、実はその裏で膨大な努力をしているのです。そのようなアヒルの水面下の話を取り上げられることは少ないのですが、日経Plus1でその水面下に関するヒントを得たので紹介したいと思います。

◆いろんなことに興味を持つ
関心を持つのはすごく大切なことで、これによって見えないものが見えてくるのです。経営コンサルタントの小宮一慶さんの本によると、人は多くのものを見ているのだけど無意識のうちに取捨選択を繰り返しているといいます。
・街を歩くときは、いろんなものをできるだけ見ようとする
・普段読まないような雑誌やフリーペーパーを読んでみる
・テレビのチャンネルは順番に押してみる
このように意図的に自分が普段行わないような行動を起こしてみることによって、今まで知らなかったことに対して興味が湧いてくるものです。

◆アウトプットを出す
頭の中にINするだけではなく、興味があったことはできるだけアウトプットするようにします。そうすることによって頭の中も整理され自分が考えていなかったようなことも飛び出してくるものです。あまり深く考えずにどんどん書いてみましょう。

◆求められるテーマに落とし込む
自分の中である程度のストックができたら、自分が求められているテーマに対して結びつけられないかをおもいきり真剣に考えてみます。自分一人で厳しいのであれば数人で行ってもいいかもしれません。おもいきり考えた後はそれもアウトプットしておき、一度リラックスするといいでしょう。

大学の研究者、新製品の開発、芸術家といった方々は、一定の期限が設けられていてその範囲内で必ず新しい考えを出さないといけません。そういったプレッシャーの中で確実に仕事をこなすためには、頭と体の中で自然とできたサイクルがあります。少しでもそういうサイクルを学ぶことができたとき、クリエイティブな自分になることができるのです。

【参考】日経Plus1 2009年5月23日

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自分を磨く読書術

2009年5月 06日 By: rainbow Category: ブックレビュー No Comments →

書店にいくと実に多くのビジネス書が並んでいて、それらは非常に魅力的な題名だったりします。「なりたい自分になれる」「仕事が夢のように片付く」「判断が迅速に行える」など、本当にそこに書かれていることを実践できればスーパーマンになれるのではないかと思えるほどのものが多いことがわかります。

それらの題名に引き寄せられて、購入して実際に読んで納得はするのではすが、すぐに忘れてしまいビジネスの世界に生かしきれていないのが現状です。どうせならせっかく購入した本なのですから何かしらの知識を仕事で生かしたいと思いますよね。そこで、仕事に生かすためのコツについてまとめてみました。

ビジネス書を生かす読書の心得
◆読む前に
・達成したい目標を設定する
 - 新入社員であれば「時間管理術」や「会計基礎」などの基礎固めなど
 - 中長期的なキャリアを考える場合、自分の今のポジションの一つ上になったときに必要な知識を学ぶ
・書籍の購入はインターネットなどの書評も参考にする

◆読むときは
・重要な箇所に付箋を張ったりボールペンで書き込んだりする
・スピードを重視する人は本の端を折るだけでも構わない
・必要な部分以外は読まない。達人は1冊30分から1時間程度で読み終える
 - 1つか2つ本から学ぶことがあればいいと考える

◆読んだ後は
・重要な部分はノートやパソコンにまとめて自分だけの参考書を作る
・ブログなどに書評を書いて読書日記を公開する
・読んだ内容を人に話すとさらに記憶への定着が図れる。

このように、ある程度のスピード感をもって読書に当たらないと購入したときの熱も冷めてしまう可能性があります。自分が習得したいと強く願ったときが一番吸収しやすい時期なのですから、速読ということではなく今までに自分が知っている知識の部分は読み飛ばして、知らないところに注目してそれを書き留めておくことが一番大切なのです。その上で、自分が習得した内容を使えるかどうかを省みるといいと思います。

【参考】日経Plus1 2009年5月2日

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