八重の桜 第12回「蛤御門の変」
これまで幕末の動乱を描くドラマの中で蛤御門の変は、どちらかというと旧態依然とした幕府を打ち破って新しい世の中を作ろうという、どちらかというと長州よりの描写が多かったのですが、今回はその逆の立場で幕府や朝廷を守ろうとする立場から見ることができました。
同じ出来事でも立場が違うとここまで解釈が異なるんだと、新しい発見の連続でした。幕府は何となく小泉孝太郎さんが引いている関係上頼りなく移ってしまいますが、会津軍は勇猛果敢に戦っている様子を臨場感溢れる描写でみることができます。特に弾が飛び交う状況はこれまでの大河ドラマにはなかったものではないでしょうか。
しかし、同時に戦が街の人々に及ぼす爪痕の深さも描かれています。すくいの小屋が数々たつなかで登場したのは遠山の金さんではなく松方弘樹さんでした。一商人にも関わらず覚馬に惨状をしみじみと伝えます。こうした大物が登場することによって、物語全体にも重みが増してすごくいいと思います。
一方、会津では縁談を勧められた八重と尚之助の間がぎくしゃくしていました。といっても一方的に八重の方が意識しすぎているような感じではありましたが。そんな風に意識されながらも尚之助は随所に八重に対する優しさをちりばめたり、覚馬の状況を心配する山本家を安心させるために精いっぱいの気遣いをしたりして、本当に人間的に素晴らしい人なのだと感じます。
この先はもう少しだけ、歴史の表舞台が中心になって八重に対する描写が二の次になってしまいそうですが、そのなかで八重がいかに存在感を出していくのか、そこに注目していきたいと思います。
◆八重の桜紀行◆
京都府京都市
- 蛤御門
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