平清盛 第49回「双六が終わるとき」
この物語全般にわたり、人生をすごろくに例えて様々な場面を表現してきましたが、それも終わりを迎える、つまり清盛の人生も終わるのだということをタイトルから見て取ることが出来ます。平氏を取り巻く情勢はますます悪化の一途をたどっていて、もはや修復不可能な状況になっていました。栄枯盛衰という言葉を思わず感じてしまいます。
その中で、後白河法皇が幽閉生活から戻ってきます。多くの平氏は恐れおののくのですが、清盛だけはそんな感じではなく、どこかで戻ってきたことに喜びを覚えていたのではないでしょうか。義朝がいなくなって清盛にとってのライバルは法皇たった1人の状況。そのライバルさえも幽閉生活で不在ということは、自分は今どこにいてどこへ向かっていくのか、それは正しい方向なのかと叱咤するものもいないということになります。それ故、清盛はこれまで自分を見失っていたのではないでしょうか。
そんな清盛は、法皇のもとに最後のすごろく遊びをするために訪れます。何でも言うことを聞くことを条件に始まった双六は清盛が勝ち、そこで清盛は法皇に対してそでに世の中は武士同士が覇権を争う時代になっており、朝廷は何の力もないということをのべ、それを受け入れるように言うと、法皇は静かに納得、時代は清盛達が目指した武士の世にうつっていくことになります。
武士の世の中を作り上げ、それを頼朝が父や清盛の思いをくみ取って、さらに完成させるという時代が確実に流れていくのでした。そう考えると、この時の時代は確実に後世に行くにしたがってよくなっていくのだなと思えてきます。
次回はとうとう最終回。清盛が亡くなり、時代は平氏から源氏の世になって行く様子を最後にしっかりと目に焼き付けたいと思います。
◆清盛紀行◆
兵庫県神戸市
- 能福寺
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