2012/11/25
Category: 2012年_平清盛
いよいよ源氏と平氏の戦いが迫っているような演出を至る所でみることができるようになってきました。今回はそうなる直前の清盛の苦悩を1話まるっと展開しています。確かに周囲には「武士の世をつくる」といっておきながら、具体的なことは誰にも伝えないために、周囲も何が何だか分からないまま付いていくしかありませんでした。一番の直近である盛国でさえも殿の目指す姿を把握することが出来ません。しまいには清盛自ら誰もわからないと閉ざしてしまいます。
結果として前回あたりから手を出したのが白拍子に手を出すこと。祇王と祇女に続き仏御前に傾倒しその心の隙間を埋めようとするのですが、西行がやって来た際に起こった出来事によって完全に崩壊してしまいます。それはひとえに強引すぎて他の武士や民衆のことを考えずに福原に都を遷し、その費用を捻出させたことによって、平氏ばかりいい思いをしているようにしか見られなかったことにありました。
刃向かうものを全て処罰する姿勢は指導者は近代でもいましたが、そういう意味ではそれを数百年前に既に実施していたのが清盛だったのです。時代の先駆けなのですが、何とも残念な感じでなりません。これでは平氏が統治する世の中を良しとする人はいないでしょう。誰のための世の中なのか、清盛としては貿易によって国を富ませ、それを民衆に再配分することによって、豊かな国作りを目指したのだと思います。しかし、それを誰も分かってくれないのであれば、独裁政治以外の何者でもないのです。
それにしても清盛と、頼政を演じる宇梶剛士さん以外はほとんど歳をとっていないように見えるのは自分だけでしょうか。特に藤木直人さんと深田恭子さんは、本当に数十年経っても外見が変わらないのが気になるところ。次回は、同様に外見が全く変わらない源頼朝を演じる岡田将生が挙兵をして戦いの火ぶたが切って落とされます。どのように平氏が没落していくのかをしっかりと見届けたいと思います。
◆清盛紀行◆
兵庫県神戸市
- 荒田八幡神社