サラリーマン川柳はユーモアの宝庫
世の中にはつらいことや悲しいことがたくさんあります。そのようなものに目を向ければ数え切れないほどの事件や事故を目にするわけですが、それらは全て過去のものです。過去のものはすでに起こってしまっているものなので当然変えることはできません。
そういったものに目を向けることはもちろん大切なことではありますが、少なくとも自分は楽しいことを見つけ、楽しめるような人間でありたいと思います。その考え方にぴったり合うのがこの「サラリーマン川柳」ではないでしょうか。
よくみるとこれらのモチーフとなった出来事はつらくて大変なことばかりです。しかし、それをただ悲しんでいるだけではなく、笑い飛ばすことによってまた頑張ろうという活力が湧いてくるのがサラリーマン川柳の魅力ではないでしょうか。そこで以下に第一生命保険は発表した第22回サラリーマン川柳からいくつか紹介したいと思います。
1. しゅうち心 なくした妻は ポーニョポニョ
2. 久しぶり ハローワークで 同窓会
3. ぼくの嫁 国産なのに 毒がある
4. 朝バナナ 効果があったの お店だけ
5. やせたのは 一緒に歩いた 犬の方
6. 「ストレスか?」 聞かれる上司が その原因
7. コスト下げ やる気も一緒に 下げられる
8. 「パパがいい!」 それがいつしか 「パパはいい」
その年にあった出来事を本当にうまく表現していると思います。読んでいくと綾小路きみまろにも通じるような強烈な風刺の中にユーモアセンスをふんだんに散りばめることによって、至上の笑いの世界へと昇華させています。
きっとこれを考えた人は日頃から悲しいニュースがあっても、それを楽しませるような川柳にできないかと考えているに違いありません。どうせ一度きりしかない人生であれば、そのように考える方がよっぽど楽しく充実するのではないでしょうか。
【参考】日本経済新聞 2009年5月23日
「サラ川」傑作選 はらはちぶ (2008/12/05) 第一生命 (選)尾藤 三柳 (選) |
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