ミシュラン観光地格付けの効果
日本人は「お勧め」とか「人気ランキング」というものに弱い人種です。自分もよく飲食店などに行くと。「今日のおすすめ」と書いてある料理にまず目がいってしまいます。そこをうまくついてビジネスチャンスを日本に見いだしたのがフランスのタイヤメーカーであるミシュランから発行されている格付けガイドではないでしょうか。
その格付けガイドに観光地格付け案内である「緑のガイド(ギド・ベール)」の日本編が発売されます。レストランガイドと同様に観光地を星の数で格付けしているのが特徴で、アジアではタイとシンガポールに次いで日本が3カ国目となります。「緑のガイド」の簡易版である「ボワイヤジェ・プラティック」の日本編はすでに発売されているのですが、「緑のガイド」はその国の文化に重点を置き格式も高いとされているそうです。
近年フランス人にとって日本は急激に身近な国になりました。敷居を低くしてくれたのはなんといてもアニメです。フランスでは日本アニメの人気が非常に高く、宮崎アニメなど熱狂的なファンが多いことでも知られています。
「緑のガイド」日本編は、日本で暮らすフランス人10人と本国スタッフ1人、日本人1人の計12人で編集されたといいます。日本国内200カ所を訪ね、印象深さ、歴史的遺産価値、自然の美しさ、もてなしの質など9項目を分析し、都市だけでなく史跡や公園、博物館なども3ランクに分けて星の数で評価しています。発売までその評価は非公開だそうですが、毎日新聞がすでに星の数を調査した結果があったのでそれをもとに見てみたいと思います。(発売される緑のガイドと異なる可能性もあります)
【「緑のガイド」主な観光スポット】
■3つ星☆☆☆
京都
富士山
日光(栃木)
伊勢神宮(三重)
姫路城(兵庫)
屋久島(鹿児島)
新宿御苑(東京)
高尾山(同)
東京都庁(同)
明治神宮(同)
東京国立博物館(同)
高山(岐阜)
白川郷(同)
五箇山(富山)
川平湾(沖縄・石垣島)
■2つ星☆☆
浅草(東京)
谷中(同)
六義園(同)
江戸東京博物館(同)
築地市場(同)
新宿歌舞伎町(同)
石垣島(沖縄)
竹富島(同)
西表島(同)
■1つ星☆
浜離宮(東京)
清澄庭園(同)
深川江戸資料館(同)
妻籠(長野)
奈良井(長野)
馬篭(岐阜)
水納島(沖縄)
伊江島(沖縄)
これを見てみると、やはりこれぞ日本という代表的な観光スポットが紹介されていることが分かります。中身を見てみると最近外国人環境客のマナーの悪さが注目された築地市場や、紅葉の季節など大行列ができて山に登るのも渋滞している高尾山など、注目の場所も含まれています。
また、沖縄の島々ではなかなか渋いところも評価されていることから、もしかしたら日本人が見えなかった日本の良さをフランス人によって再発見させてくれる内容となっているかもしれません。
一方で観光スポットなどを評価するということに対する疑問をあります。京都よりも浅草の方がレベルは下なのでしょうか。違いますよね。しかし評価をすることによって読者はそのように感じてしまうのです。観光地はそれぞれにおいて違った味わいがあります。ランキングするのではなく、ジャンルごとに紹介するという形でもいいのではないでしょうか。
この緑のガイドを見る人が、自分のなかで取捨選択をしながら情報を鵜呑みにするのではなく、自分なりのフィルターや解釈を加えながら、自分だけのランキングを作るという利用の仕方をしながらうまく活用したいガイドブックだと思います。
【参考】毎日jp
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2009/02/21/20090221k0000e040056000c.html
ミシュランガイド東京2009 日本語版 (2008/11/21) 不明 |
オーストリア (ミシュラン・グリーンガイド) (1999/03) ミシュランタイヤ社 |
プロヴァンス―南フランス (ミシュラン・グリーンガイド) (1998/11) フランスミシュランタイヤ社 |
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