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映画の力で野生の王国を救え!

2008/12/08 Category: 環境問題

アフリカ象

野生の王国アフリカのケニアで、一人の映画監督がカメラを回しています。彼はサイモン・トレーバーさん69歳。アフリカで40年以上映画監督として自然を撮り続けてきました。アフリカで動物を対象とした撮影は人間のように簡単ではありません。常に”その時”を待ち続けなければならず、あるシーンを撮るために3年待ったこともあるとサイモンさんは言います。撮影には忍耐と観察力そして愛情が必要なのです。

サイモンさんは映画を作るだけではなく、移動映画館に対する情熱をもっています。電気のない村では、発電機を使いテレビや投影機を動かします。さらに、移動車にスクリーンを備え付け、子供達を中心に映画上映会が始まります。

スクリーンに映し出されるのは戯れる楽しそうな象たち。アフリカでは狩りの対象か畑を荒らす対象として見られていた象の生き生きとした姿に対して、子供達は興味津々です。さらに上映会は続きます。サイモンさんがスクリーンを通じて伝えたいのは、人間の欲望によって乱獲される野生動物たち、さらに森林の違法伐採によっていずれ砂漠化してしまう大地の存在です。そのような事実がいかに多いのかをサイモンさんは伝えたいのです。次第に視聴者の目は真剣になっていきます。

一方アフリカの人たちにとっては、収穫期に柵を壊して入ってくる象などの”悪い動物”を殺すのは当たり前という考えを持っています。環境破壊や野生動物の殺戮を行う人は、なぜ悪いのか分からないのです。サイモンさんはこのことを重く受け止め、子供達の知性にイメージを訴えることができる映画が最適だと判断しました。

象が食べたものは体内で発芽しやすい状態になり、フンと共に外に出たときに新たな植物がその場で育っていきます。このように、森と動物たちは互いに支えあっているのです。そんな小さいことからサイモンさんは伝えていこうとしています。

サイモンさんに影響を受けた人の考え方が少しずつ変化していきます。ある少年は、人間と動物が仲良く生活することはできないのかを考え始め、将来は動物たちのすばらしさを多くの人に伝えていきたいといいます。またある青年は違法伐採の上映後に植林を行い、違法な行為をする人を取り締まるためにパトロールをしています。

全ての生き物には住むところが必要です。森は動物にとっても人間にとっても双方に必要なものなので、我々人間が森を守っていく必要があるとサイモンさんは訴えかけます。さらに映画という媒体は、人を変えることができると信じていて、それによって厳しいアフリカの現実、スクリーンを見つめるキラキラした瞳に将来をあけているのです。

アフリカの人にとって、環境破壊を直接訴えるよりも映画を使って心に訴え、さらに彼らの生活をも向上させるような取り組みを継続的に行っていくことよって、その次の世代に子供達がその問題を確実に解決に向けていってくれるのではないでしょうか。これからの人間全ての宿題なのかもしれません。

【参考】素敵な宇宙船地球号 12月7日


人気の南アフリカの石ラステンバーグデザインストーンマウスパッド作品名「象(ゾウ-1)」




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