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「雑談力」が仕事を助ける

2008/12/06 Category: ビジネス

大阪に出張をする機会がありました。全国から自分の会社のメンバーが一同に集まり議論する場だったのですが、遠くからみなさん自分の業務時間を移動に割いて大阪に集まってきます。昨今では経費削減の観点からテレビ電話会議にてこのような打ち合わせを実施することも多いのですが、合理的な観点からすると確かにその方がお互いにとってハッピーです。一方、内容を超えた人間関係を築く上では、顔と顔を合わせた方が効果は高まります。どちらの考えも一長一短だと思います。

仕事に対して、最近思うのは最後は人間関係がものをいうのだと言うことです。仕事に対していくら合理的でも、人間関係がうまく構築できないのであれば、仕事は進まないでしょう。そのことを後押しするかのような次の話があります。これは、とあるニュースキャスター希望のキレル2人の女性の話です。

<キャスター志望Aの場合>
キャスター志望A:自然環境を守るため、CO2削減策の一環としてバイオ燃料の必要性が叫ばれていますよね。その結果としての穀物価格の高騰は農業従事者の皆様方を豊かにしているのか、していないのか、どちらですか?
農家のおじさん:見ての通りうちはキャベツや白菜みてえな葉物だろ。ハウスの重油が多少値を下げてきたから、このあたりのもんはちょっとだけほっとしてんじゃねーの
A:化石燃料だのみの農業経営に将来はないと思うのですが、もっと太陽光発電や風力発電などへの転換はお考えにならないのですか?
おじさん:ん?

<キャスター志望Bの場合>
キャスター志望B:わあ、このトウモロコシ。札幌で食べた焼きトウモロコシより粒が大きくて、きらきら光ってる。おいしそう!
農家のおじさん:おお、そこまで熟してたらそのまんま食えっからかぶりつくか?
B:えー!いいんですか?私、お財布おいてきちゃってお金持ってませんが
おじさん:ばかこくでねえ。美人はタダだ
B:わお、美人に生まれて良かった…ナンチャッテ、いっただきまーす(ガブリ!)
おじさん:どうだ?
B:おいしい!トウモロコシってこんなにおいしいんだぁ!!これを絞ってガソリン代りにするなんてニュースで聞いたことありますが、もったいないですね
おじさん:だろう、な?

あなたが農家のおじさんならどちらと話をし続けたいですか?そしていろんなことを相手に教えてあげたいと思いますか?きっと多くの人がBを選ぶでしょうね。もしかしたら、「頭のいいデキる人であり続けたい」という思いがあって、それがさりげなく相手を思いやったり、無駄話につきあって面白がったりする「余裕」を奪い去ってしまっているのかもしれません。「馬鹿だと思われたくない」という防衛本能が、対人関係に必要な「すき」を作らせないタイプで、ディベートはうまくても、雑談が苦手だということが多いことが多いと考えられます。

このことは、ニュースキャスターという特殊な職業に限った話ではないと思います。多くの企業の採用担当者によると、受験者の知的能力の見極めはもちろんですが、同時に「この人物と一緒に仕事をしたいか」「職場の仲間とうまくやってくれるだろうか」という「人間性」にもかなり重きを置いているそうです。

デキル人は、相手や、相手の仕事に興味を持ち、観察し、寄り添い、共感したうえで言葉をかけるといいます。その時に威力を発揮するのが「雑談力」という力。仕事にのめり込み過ぎて「相手に寄り添う雑談」をおろそかにしていないか、一度点検する必要がありそうです。

仕事は一人ではできません。多くの人の支えの中で自分も仕事をすることができるのです。お互い様の精神を大切にし、自分自身の合理性を磨きつつ、人間同士のつながりを大切にできるようなビジネスパーソンでありたいと思います。

【参考】NBonline
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nba/20081126/178409/

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