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猟師が教える命の食べ方

2008/12/01 Category: 環境問題

紅葉まっさかりの京都では、嵐山も多くの寺院の境内も深い赤色に染まっています。京都ほど赤い紅葉が似合う街はないのではないでしょうか。そのくらい赤とマッチした京都に住む猟師のお話です。

猟師の一人である、千松信也さん。彼は時間の許す限り獣の気持ちになって山を歩き回っていますが、猟師の必需品になっている銃はその手にはありません。京都大学の在学中に猟師になった千松さんは、銃を使わずワナだけで獣をとるという手法にこだわりを持っていて、道具や自分の服を樹皮と一緒に煮込む、長い間土に埋めておくなど動物に人間のにおいを悟らせない努力を欠かしません。千松さんは、「ぼくは猟師になった」という本を出し、その中で猟師になった理由を語っています。千松さんは自分が必要な分だけ猟を行うことが大切であると考えているのです。

そんな大切な仕事場でもあり、自分の生活全てである山が今危機に瀕しています。野生の生物が今爆発的に増えているのです。その増えてしまった有害鳥獣の駆除が日本各地で行われています。ニホンジカやイノシシなどが爆発的に増えてしまったことで、農作物を食い荒らされたりする被害が深刻な問題となってしまいました。

このように爆発的に増えてしまったのにはきちんとした理由があります。かつてうっそうと茂っていた原生林では下草が育ちにくい状況だったため、えさが少ない動物はその個体数を増やすことなく必要最小限でした。しかし、その原生林は伐採され日光を得ることができるようになった下草の生育は伸び、その結果えさが増えた動物はその数を急速に増やしていったのです。さらにニホンオオカミが絶滅したこと、狩猟する人が少なくなったことも拍車を掛けた要因となっています。今猟友会の人たちが必死に増えすぎてしまった動物を間引く猟を行っています。

そこでしとめた動物は、需要がないので焼却されます。仕方がないとはいえ、このような猟は本来の猟ではないと千松さんは嘆きます。生態が壊れない数の動物だけを頂き、命の大切さを感じながらおいしくいただくのが本来の姿なんですよね。

東京の銀座では、京都のシカ肉をおいしくいただけるレストランがあります。それが、レストラン タテルヨシノ 銀座で、シェフの吉野建さんの得意料理はシカ肉料理です。ここでは京都でとられたシカを使って料理をしています。ちょっとだけ醤油を垂らしただけでもおいしいといいます。

おいしく食べてあげることが大切だと考える猟師の一人に京都美山町にすむ猟師・筒井順さんがいます。筒井さんは忍び漁という伝統的な猟を行っています。銃を使う場所を限定し、沢が近くにある場所で猟を行うのです。これは肉をきづつけないためで、すぐにしとめた獲物を沢まで運んでいき、血抜きをして沢で洗い流します。筒井さんのこだわりは、ものすごく陽気に猟をやることだといいます。足の甲だけでも十分ということから、動物への感謝の気持ちが伝わってきます。

今年初めて千松さんのワナにかかったシカを丁寧に調理し、今年の無事を祈りつつみんなで食べます。さらに千松さんは取った肉を食べてもらうだけでなく、解体も見て欲しいといいます。これによって生き物の命を奪って食べるありがたさを改めて感じることができるのです。

人間によってその住み処を追われてしまった被害者はシカやイノシシなのです。動物たちと人間が共存していくためにも、とった動物たちを焼却せずにおいしく食べ、動物への感謝を忘れないことが大切だと思います。そこから、動物がなぜ増えてしまったのか、どうしたら彼らと一緒に暮らしていけるかなど多くのことを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

【参考】素敵な宇宙船地球号 11月30日

ぼくは猟師になった ぼくは猟師になった
(2008/09/02)
千松 信也

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