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庄内を食の都に!!地場イタリアンの挑戦

2008/11/03 Category: 環境問題

山形県庄内地方。田んぼの真ん中にある1件のレストランに全国から多くのお客様が訪れます。そのレストランは、「アル・ケッチァーノ」といい8年前から営業していて、席数は40席のみで、場所も空港から近いなどの地理的な優位性はないにも関わらず、予約は数ヶ月先まで一杯です。

オーナーとシェフを兼ねているのは地元庄内地方出身の奥田政行さんです。奥田さんの料理は、お客様からキャベツやトマトが本物の味がすると好評です。食材は、庄内の海の幸山の幸を、わずかな塩、オリーブオイル、それに自らが摘む香草や山菜で味を調えたものと言ったように、まさに地産地消を実践しています。

奥田さんは、地元の庄内地方を回り食材を探し、庄内地方の食材がとんでもなくおいしいことがわかりました。にも関わらず、活力がほとんどなく、みんなが下を向いて諦めムードが漂っていたそうです。自分が庄内の食材を使うことで、その素晴らしさを全国の人に知ってもらいたい。ひいては、若い農家の後継者に庄内に戻ってきてもらいたい。そんな思いから、地元の食材の良さを全国に広めたいと奥田さんは考えていました。

庄内地方には本当に素晴らしい食材が数多くあります。例えば、庄内で唯一の羊飼育農家である丸山さんの羊は、庄内特産のだだ茶豆をえさとして与えているので、肉の臭みがなくコクがあっておいしい肉に仕上がっているといいます。羊の肉が売れずにやめることも考えていた丸山さんでしたが、奥田さんが東京のフレンチやイタリアンのお店を歩き回り紹介してくれたおかげで、今では数倍の羊を生産するまでになっています。東京にあるラ・ロゼッタはそんな丸山さんのおいしい羊肉を導入しているお店の一つです。

その他、藤沢カブ、民田ナス、平田赤ネギなど、庄内には在来作物が60種類以上存在しています。奥田さん達による庄内を食の都と位置づけ、2003年に行政と共に開始したプロジェクトの成果もあってか、在来作物のうちいくつかはブランド食材として東京などで消費されるようになってきました。まさに奥田さんの「食の親善大使」としての役割は完璧といえるでしょう。

では、庄内地方の食材はどうして美味しいのでしょうか。それに対して奥田さんは確かな裏付けがあるといいます。まず、月山の存在による長年積み重なってきた腐葉土、月山の残雪が、作物に好条件であること。

海に目を向けると、鳥海山に降り注ぐ雨などが地下水となって多くのミネラルを含んだ湧き水となって浜辺に出てくることから、栄養たっぷりの岩ガキなどが育つこと。さらに、対馬暖流、リマン海流、沿岸水が混ざり合ってそこに、地下からの湧昇流が絡み合い、豊かな漁場を形成していることが挙げられます。このように陸も海も豊かな食材が生まれやすい環境にあるのが庄内地方なのです。

9月下旬。奥田さんは食材をおさめている50人の生産者たちを集めて、日頃の感謝を込めてディナーを振る舞いました。みんな庄内をよくしたいと思う気持ちは同じです。普段はなかなかそれを言う機会がないのですが、お互いの共通した思いを語り合っています。

安全でおいしい食の都を作るために、まだまだ挑戦は終わりません。まずはふるさとの良さを再発見し、自然を大切にしながら地産地消を実践する食育が、今こそ必要なのではないでしょうか。

【参考】素敵な宇宙船地球号 11月2日


山形庄内のだだちゃ豆 1.5Kg箱




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