マツタケが人工栽培できない理由とは?
本格的な秋を迎え食欲が旺盛になる頃、皆さんはどんな食材を思い出しますか?栗、柿、焼き芋・・・いいですね。どれもおいしいですよね。
そんな中マツタケと答える方は、素晴らしい環境に育っていますね。よく松茸入りのものを見かけますが、どこが松茸なのかわからないほど小さくスライスされていたり、粉末になってしまって「マツタケ風味」等となっていたりするものばかりで、1本丸ごとほおばるといった経験がないのが悲しくなります。
そこで考えるのが、「マツタケって人工栽培できないの?」という素朴な疑問。椎茸やマイタケのように人工栽培することができれば、毎日嫌と言うほどマツタケづくしの料理を食べることができるのにと考えた人はきっと自分だけではないと思います。
実は、多くの人がこれまで一生懸命頑張っているにも関わらず、未だに成功していないそうです。その理由について考えてみたいと思います。
マツタケはアカマツの根元に生えるのですが、キノコは大きく二つに分けることができます。
●腐生菌
・菌が付いたところが生きた木でなくても自分の力で分解して栄養として吸収することができる菌
・シイタケ、エノキダケ、ブナシメジなど
●共生菌
・菌が付いたところが生きた木でないと育たない菌で、樹液に含まれる糖分を栄養にしている
・マツタケ、ホンシメジなど
さらに、マツタケの菌は雑菌に弱く土の栄養分が少なく痩せているところが好条件となり、マツタケの菌がアカマツの根元に生えると、他の菌が繁殖するのを抑える化学物質まで分泌されるそうです。自分自身でもよりよい環境を作り上げているんですね。
極めつけは、成長スピードが極端に遅いこと。人工的に作っても、雑菌が入り込まないように保つことが難しいとされています。
研究者も努力を重ね、菌糸がキノコに変わる直前の「原基」という状態までは人工栽培に成功しているそうで、これ以降は今後の課題といえます。
マツタケは、この50年で100分の1以下まで生産量が減ってしまいました。その原因は、アカマツを枯らすマツクイムシや乱開発の問題だけでなく、自分たちの生活スタイルの変化も大きく影響を与えているといいます。
それは、アカマツ林に入って落ち葉や木をもう取って生活する必要がなくなったため、必要以上に落ち葉が積もりすぎてしまい、雑菌が繁殖してしまったために育ちにくい環境になってしまったのです。
人工栽培に期待しつつも、育ちやすいように山を守っていくことも大切なんですね。自分が生きている間に、マツタケ三昧を楽しめるようになるためには、自分がお金持ちになるか、人工栽培を待つか、どっちが先かわかりませんが、楽しみに待つことにしましょう。
【参考】be on Sunday 10月19日
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なるほど勉強になりました 有難う
コメント by 匿名 | 2008/11/13 18:34