京都エコ空間の知恵
自然をわずかな空間に凝縮し、独自の世界観を実現する日本庭園。その魅力の一つである癒しの効果を利用しようと、百貨店、飲食店、旅館から一般住宅まで、多くの場所でその知恵が取り入れられています。
例えば、視界の上部を障子でふさぐことによって、苔のびっしり生えた庭に対して、大きな広がりを想像させるように工夫されています。
日本にはこのように、庭を無限の広がりと安心を与えられる、そんな工夫が凝らされた庭作りの技術が数多く眠っているのです。
以前に番組にも登場し、素敵な庭を一般家庭に取り入れてくれた京都の庭造り名人・重森千青さんが、今度は足立区にある新興住宅地にある三角形の1.5坪の庭を素敵な庭園にかえるべく、挑戦します。
代表的な日本庭園のほとんどは丸や四角でできていて、三角形という庭は本当に難しいのです。悩みながらも、重森さんは祖父の作庭家重森三玲の作品である大阪城や、岡山県にある友琳の庭を参考に作業に着手します。
そしてついに完成。
そこには、まさに友琳の庭が再現されていました。水が鏡のようになって下に敷き詰められた白や黒の石を映し出しています。
遙か昔から限られた土地を有効に活用してきた日本人。限られているからこそ、そこに無限の想像力という素晴らしい力を取り入れて、限りない無限の彼方を映し出すことができる日本庭園のすばらしさを改めて感じることができる放送でした。
自分たちでも、このように限られた土地を有効に活用し、快適な住空間を作れるのではないでしょうか。そんな気がしてきます。
【出展】素敵な宇宙船地球号 6月29日
重森三玲モダン枯山水 (2007/10) 大橋 治三 |
京の庭 (2003/10) 重森 千青 |
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