おいしいコーヒーのいれ方 明日の約束
久しぶりに読書感想を書いてみたいと思います。
このシリーズは、本当に大人気で新書版で出てからしばらくすると、文庫版でも発売され、ベストセラーになったりする村山由佳さんの看板とも言えるような、素敵な大長編です。
主人公の和泉勝利と花村かれんの恋愛模様を中心に、その周りの心温まる仲間との人間模様を淡々とつづっています。今回も、勝利の男としての魅力が十分に出ている内容となりました。こんなに相手のことを思い、それでいて思い悩む人はなかなかいないんじゃないでしょうか。話すこともすごく大人な感じがします。
でも、それは5つ上のかれんに背伸びをして追いつこうとする多少のがんばりがあるからこその言動なんですよね。これが同期の星野りつ子だったら、勝利はここまで成長しなかったのかもしれません。かれんという存在が勝利をより素敵な男性に成長させているのが今回、すごく感じられました。今回は、勝利という人間がいかに頼りがいがあって、みんなに慕われる存在なのかということがいくつかのストーリーの中で出てきます。人に頼りにされる人は、本当に魅力的で自分でも悩み結果を出している人だということ、それを教えてもらいました。自分もそんな人間になりたいですね。
本編は「Time After Time」というシンディー・ローパーの大ヒット曲からとっています。勝利の幸せの中に潜む悩みをうまく表現しています。その他、書きおろしサイドストーリー「Dust In The Wind」は、語り手が桐島先生。矢島君も出てきて、「もう一度デジャ・ヴ」ともつながっているので、村山由佳の作品を読まれている方は、話のつながりがあってすごく楽しめると思います。次回は勝利が痛い思いをして大切なことを知るらしいので、今から楽しみです。
おいしいコーヒーのいれ方 Second Season II(2) 明日の約束 (ジャンプ ジェイ ブックス) (2008/05/26) 村山 由佳志田 光郷 |
おいしいコーヒーのいれ方 Second Season I(1) 蜂蜜色の瞳 (ジャンプ ジェイ ブックス) (2007/05/25) 村山 由佳 |
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