大都会の緑のカプセル - 地球にやさしいゴルフ場とは –
最近ゴルフが注目を浴びています。ハミカミ王子という呼び名で一躍有名になった石川遼プロ、宮里藍プロや横峯さくらプロを代表とする女子プロゴルファー。
自分もゴルフをしますが、ゴルフというととかくイメージが悪かったりします。ゴルフ場は農薬だらけで、しかも気持ちいいのかどうかも分からない。
でも、自分は声を大にして言いたいのですが、ゴルフ場はとても心地よいところです。自然の中で自分が森林にいるようなそんな心地よさを感じることができます。
都心から近いところに、川崎国際生田緑地ゴルフ場があります。ここは1952年に井上誠一さんによって設計され、様々な動植物が住み処としています。ミミズもたくさんいることから土壌がすごく綺麗なことが分かります。このゴルフ場は、ゴルフ場のあり方を指し示す羅針盤になるところだといえるでしょう。
それは、ゴルフ場の管理方法にありました。ゴルフ場を穴だらけにするモグラは通常のゴルフ場では農薬を使って駆除したりしますが、この川崎国際生田緑地ゴルフ場では駆除することなく、杉の葉っぱを使って寄せ付けないようにしています。そういった努力の成果といえるかもしれませんが水もすごく綺麗なんです。
ゴルフ場の付近には、飛森(とんもり)谷戸と呼ばれる森林が広がっています。ここにはゴルフ場からしみ出る川が流れていてホトケドジョウのような絶滅危惧種も住み着いています。
飛森(とんもり)谷戸の自然を守る会の会長の矢澤さんを中心として、様々な取り組みが行われています。
・竹やぶだらけで荒れ果てた場所を本来のクヌギの林にするよう遊歩道を整備
・ホタルが蘇るよう、新しい小川の建設をゴルフ場と一緒になって行う
一方、千葉県には150ものゴルフ場があり、幸か不幸かそのゴルフ場のおかげで住宅地から自然を守っています。
ゴルフ場が農薬を使うのには理由があります。以前は日本の在来種であるコウライ芝をしようしていましたが、冬でも青々としている西洋芝にシフトしていきました。ところが西洋芝は日本の風土に合わないため、農薬を大量に散布して守っていたのです。
千葉県では、無農薬を宣言し病気に強い芝の開発に着手した結果、CY-2という新種の開発に成功しました。これは冬でも青く、暑さ寒さに強い、病害虫にも強い芝です。
片山晋呉監修によるゴミの埋め立て地の上にできたゴルフ場も登場しました。「市民の憩いの場所になって、そこに育っていく100年以上の巨木がもっともっと成長していくのが楽しみ」と片山プロはいいます。
このように、川崎国際生田緑地ゴルフ場をはじめとして千葉県、その他の都道府県でもゴルフ場から自然環境を守る取り組みが始まっているのです。
緑のカプセルになっていくゴルフ場。
ゴルフ場があったおかげで、自然が残ってくれたのです。
一度壊してしまった自然を元に戻すことは長い長い時間を要します。我々にできることはすこしずつそれを修復していくしか、道はないのです。
残された自然を有効活用することが求められています。
自分も生田緑地をよく利用する一人として、このような取り組みに積極的に参加し、自分の子供の世代に受け継いで行かなければならないと思います。
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