江 -姫たちの戦国- 第11回「猿の人質」
北庄城が炎に包まれ落城し、それと共に義父と母を亡くした江たち三姉妹にとってこれまで心のよりどころだったものが失われ、自分たちの力で生きていかなければならなくなりました。今回はそんな三姉妹が少しずつ自立していく様子を描きたかったのでしょう。
秀吉のもとにやってきた三姉妹は秀吉のことを猿とくってかかり、決して許すことはないと断言します。ところどころファンタジー性も含まれており、江の背後に信長が登場し、秀吉を恫喝します。以前、江に信長は見守っていると言っていましたが、信長はしっかりと見守っていたのですね。きっとこからも江に対しては背後に信長が登場し、強く出ることができないというシーンは数え切れないほど登場してくるのだろうなと想像することができます。
そんな三姉妹の心を少しずつ緩和していったのが秀吉の正室であるおねと、三姉妹の父である浅井長政の姉である京極マリアの娘であり、秀吉の側室である京極龍子でした。京極龍子自体も秀吉は仇のはずなのですが、徐々におねの気遣いに心が和んでいきます。同様に三姉妹の心もおねに対して開いていくのでした。
おねや龍子だけでなく、千宗易など三姉妹を気遣う人はたくさんいて、きっとここでの生活はうまくいっていくんだろうなと感じさせます。あえていうとしたら秀吉の茶々に対する邪心でしょうか。岸谷五朗のこの惚けた顔を何度見てきたことでしょう。今回も明確で露骨な演技に、またきたかと今後の流れが容易に想像することができます。江が茶々を守ると言っていましたが、全くそれは無理で自分のものにしていくでしょう。それがどのように成し遂げられていくのかということに次の焦点が移りそうです。
最後に歴史的な流れを見てみると、家康の行動が特筆すべきものがありました。これまで様子見を決め込んではっきりとしたことを言わなかったのですが、今回織田信雄が家康のもとを訪れて一緒に秀吉を討とうといった後、自分も猿を少し叩いておかないといけないといったこと。明確に家康が秀吉を討つということは歴史が示すとおりですが、ここでそのように感じていたことがどのような行動につながっていくのか、江の大河ドラマなのですが歴史ドラマとしての本流の部分も頭の片隅に入れながらこれからを見ていきたいと思います。
◆江紀行◆
三重県玉城町
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- 天守跡
- 伊勢湾
- 松ヶ島城址
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