ALWAYS 向ヶ丘遊園・登戸の夕日
街にははるか昔から脈々と受け継いできた歴史があります。そしてその歴史は今もなお、街の至る所に息吹を感じることができるのです。それは京都や鎌倉といった有名な史跡でなくても身近な自分たちが住む街にもあり、決して誇示していないけど少しだけ誇らしくそこに存在します。
その姿を向ヶ丘遊園や登戸でも感じることができ、それが今写真展示されている所に行ってきました。その名も「ALWAYS 向ヶ丘遊園・登戸の夕日」となにかを連想させる題名ではありますが、戦後昭和30年代に栄えたこの街の様子が一枚一枚丁寧に写されていました。
案内してくれたのは、すでに数十年この町に住んでいるという女性の方で、この街をとても愛していることが分かる口調で説明してくれました。作品は、どれも昔の向ヶ丘遊園・登戸を写していて、なかには青柳という栗マークの看板が有名なお店のように今でもやっているお店が所々写されていて、今の場所と結びつきます。
その他、トトロで出てきそうなバスや、女の子のおかっぱ姿、向ヶ丘遊園駅が昔は「稲田登戸駅」だったことなど、昔をすごく感じることができるすばらしい内容の作品ばかりでした。また、アンケートにはここに住んで30年という方や、生まれてからずっとここに住んでいて懐かしいという60代の女性からのコメントなど、ここで暮らしてきた方の声を直に感じ、ずっとその街で暮らし街が変わっていく様子を見ているっていいなぁと感じます。
この先、この街はもっともっと変わっていくでしょう。きっと30年後には想像もできないような近代的な街になっていることでしょう。それでも今という大切な街の姿をこの目にとどめておく意味でも、大切な作品となると思います。
最後に「この昭和30年代の写真の上に、同じ場所の今の写真を撮って展示したいと思います。大変だけどね」といって笑ったギャラリーの女性には、少しだけ誇らしげな訃音行きと変わっていく街を寂しがるような2つの感情がグラデュエーションのように交じっていました。是非行ってみてはいかがでしょうか。
「ALWAYS 向ヶ丘遊園・登戸の夕日」
・期間:2009年3月4日(水)?2009年3月31日(火)
・会場:ギャラリーCHACO(アトラスタワー向ヶ丘遊園2階)
・午前10時?午後10時
・入場無料
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