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東大合格者1位の公立高校

2011/04/21 Category: 日記

この時期の週刊誌には東大合格ランキングが大々的に掲載されています。いわば季節の風物詩でもあるのですが、まるで日本各地の高校の優秀度について順位をつけているように感じます。そのランキングの上位には毎年難関校として有名な私立高校が並んでいますが、こういった高校の多くは中高一貫教育であり、5年間で教科書の内容をすべてやり終えて高3の1年間を受験指導につぎ込むというやり方をしています。

そんな私立高校の中にあって、毎年40人近い卒業生が東大合格をしている公立高校があるといいます。それが、愛知県立岡崎高校です。この高校がなぜここまで多くの合格者を出しているのか、その謎について見てみたい思います。

岡崎高校では、生徒と教師がそれぞれ自分が何をすべきなのか、どうあるべきかということが行動となって実践されているといいます。高校は生徒が集まって特徴を出すのですが、伝統として受け継がれている風習は、生徒個人に伝染し、その高校の特徴となって受け継がれていくものです。以下、岡崎高校の風習を見てみます。

・始業2分前に全員着席
先生もチャイムが鳴ったときには教壇に立ち、1限50分の授業が1分とも疎かにされない。

・授業後は生徒が質問のため教師を囲む

・予習と復習の徹底、授業を大事にし、疑問があればその日のうちに解決しておく

・夏休みや冬休みの課題をきちんとこなす

・先生も生徒の要望に対し真摯に対応し、自作のプリントや地道でていねいな下調べを怠らない

このように岡崎高校自体の風習が、入学する生徒や教師にも伝染しひとつの伝統となって受け継がれているのです。1つ1つをみると当たり前のことのように思えますが、みんなが同じ方向を向かないとできることではありません。例えば、周囲の生徒がみんな遊んでいる中で自分一人でそれを無視して勉強をすることができるでしょうか。きっと自分も「流されてしまう」に違いありません。

その他、教頭先生によると岡崎市という街自体が周囲に車関連の大企業が集まっている場所にあることから、学歴の高い親が多くその結果教育に熱心であるという地理的なものもあるといいます。学校の特徴とそこに入る生徒の素質、そして土地柄、そういった要素が重なりあって、勉強する環境が公立高校であっても成り立っていることが分かりました。

勉強をしたい気持ちにさせる方法は様々ですが、生徒自らがその環境を作り実践する姿は、上から作った環境よりも強固であり、自由という責任を生徒自らが感じることができるという教育的効果もあわせて醸成することができるという点で、あるべき姿の1つを見たような気がします。

【参考】週刊ポスト 2011年4月29日号

岡崎混声合唱団 岡崎高校コーラス部 第30回定期演奏会 [コーラスライブラリー] 岡崎混声合唱団 岡崎高校コーラス部 第30回定期演奏会 [コーラスライブラリー]
(2009/06/01)
三善晃

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